約1100万年前のイルカの化石 “世界最古の新種” 群馬

群馬県内にあるおよそ1100万年前の地層で発見されたイルカの化石が、新種のヨウスコウカワイルカ科で世界で最も古いものだと群馬県立自然史博物館が発表し、イルカの起源や進化の過程を知る貴重な発見だとしています。

新種とわかったのは、25年前、群馬県安中市にある碓氷川の川沿いのおよそ1100万年前の地層から発見され、群馬県立自然史博物館が所蔵するイルカの頭頂部と耳の化石です。

栃木県内でも同じ特徴のイルカの頭の化石が見つかったことから、博物館が研究を進めた結果、口の裏の骨のくぼみの特徴などから、ヨウスコウカワイルカ科の新種と結論づけたということです。

このうち安中市で発見された化石は、ヨウスコウカワイルカ科の中で世界で最も古く、博物館は、この科のイルカの起源や進化の過程を知る貴重な発見だとしています。

博物館は、18日から来月末まで特別展示を行う予定で、研究を行った木村敏之学芸員は「かつては群馬にあった海をこのイルカが泳いでいた。当時の海を想像しながら化石を見てほしい」と話していました。

県立自然史博物館は、先月、開館以来、常設展示されてきたクジラの化石が、ナガスクジラ科の新種であることも発表しました。