イスラエル “国連施設でハマスが活動” 国連側に調査求める

パレスチナのガザ地区各地では、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの激しい戦闘が続いていて、国連は5月6日以降、あわせて50万人以上が避難を強いられたと推計しています。一方、イスラエル軍は南部ラファにある国連施設でハマスの戦闘員の活動が確認されたと主張し、国連側に調査を求めています。

イスラエル軍は15日にかけて、ガザ地区の南部ラファや北部ジャバリアでハマスに対する地上作戦を続け、多数の戦闘員を殺害したとする一方、イスラエルの兵士にも死者が出ていることを明らかにしました。

国連は5月6日以降、ラファから45万人近く、ガザ地区北部から10万人以上が避難を強いられたと推計しています。

こうした中、イスラエル軍は14日、ラファ東部にあるUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の施設で、ハマスの戦闘員の活動が確認されたとして、数日前に施設内を撮影したという上空からの映像を公開しました。

そして、
▽国連の車両のそばに複数の戦闘員が確認できるほか
▽戦闘員が銃で住民を威嚇していると主張し
国連に対して緊急に調査するよう求めたとしています。

UNRWAをめぐっては、一部の職員が去年10月のハマスによるイスラエルへの攻撃に関与したとされる疑惑を受け、一部の国が資金の拠出を停止する事態となりました。

ラファでは、13日に国連の車両が攻撃を受けて職員2人が死傷し、ハマスはイスラエル軍による銃撃だと主張しています。

一方、イスラエル軍は詳細を調査中だとしていますが、今回の映像の公開を通じて、UNRWAを改めてけん制するとともに、ラファへの攻撃を正当化するねらいもあるものとみられます。