タイ 女性活動家が死亡 不敬罪の見直し訴え刑務所でハンスト

タイで王室への中傷を禁じる不敬罪の見直しを訴え、刑務所内でハンガーストライキを行っていた20代の女性活動家が死亡し、国際的な人権団体などが強く反発しています。

タイの活動家、ネティポーン・サネーサンコムさん(28)はおととし、王室の車列が通行する際に道路が封鎖されることの是非を問うアンケートを行ったことが王室への中傷を禁じる不敬罪にあたるとして逮捕、起訴され、刑務所に収監されていました。

弁護団によりますと、ネティポーンさんは、ことし1月から不敬罪の見直しなどを求めてハンガーストライキを続けていましたが、体調を崩していったん外部の病院に移された後、4月に刑務所に戻っていたということです。

タイ当局によりますと、ネティポーンさんは4月以降は食事を取っていましたが、5月14日に容体が悪化し、病院で死亡が確認されたということです。

タイでは、2020年から21年にかけて不敬罪の見直しなど王制改革を求める抗議デモが広がりましたが、当局の取締まりでそうしたデモは現在、ほとんど行われなくなっています。

ネティポーンさんが死亡したことを受けて国際的な人権団体アムネスティ・インターナショナルは、声明で「声をあげることが死につながるべきではない。収監されているすべての人権活動家の即時釈放を求める」などと強く反発しています。