ガザ地区南部から45万人避難か 国連機関 人道状況の深刻さ訴え

イスラエル軍はガザ地区各地への攻撃を続けていて、今後、攻撃を拡大させる構えを見せる南部ラファからは45万人近くが避難したとみられます。国連機関は「新たなレベルの絶望が広がっている」と人道状況の深刻さを訴えています。

イスラエル軍はガザ地区の各地でイスラム組織ハマスへの攻撃を続けていて、パレスチナの地元メディアは14日、中部ヌセイラトへの空爆で子どもを含む14人が死亡したと伝えています。

ガザ地区の保健当局は14日、これまでの死者が3万5173人に上ったと発表しています。

ガザ地区南部のラファで13日、国連の車両が攻撃を受けて職員1人が死亡したことに対してグテーレス事務総長は非難するとともに、全面的な調査を求めるとする声明を出しています。

これについて、ガザ地区の地元当局はイスラエル軍による攻撃だとして非難する一方で、イスラエル軍は車両が攻撃を受けたのは戦闘地域の中で、詳細については調査中だとしています。

そのラファでは、イスラエル軍が今後、攻撃を拡大するとの不安から、住民がハンユニスなどラファよりも北側の地域に避難する動きが続いています。

NHKガザ事務所のアブタホンカメラマンが12日、ラファで撮影した映像では車やロバの荷車でハンユニスに向かって避難する人たちの車列が写っています。

また、ハンユニスでは戦闘の影響で大きく破壊されがれきだらけになった市街地でラファから避難してきた人たちが再びテントを立ててなんとか生活の拠点を確保しようとしていました。

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は推計で45万人近くがラファから避難したと発表しているほか、「ハンユニスには水がない。世界が見守る中で、新たなレベルの絶望が広がっている」と現地の人道状況の深刻さを訴えています。