能登半島地震 倒壊した建物にあったピアノ 商店街に設置 輪島

能登半島地震で倒壊した建物から運び出されたピアノが、誰でも演奏できる「ストリートピアノ」として石川県輪島市の商店街に設置され、被災した人たちを和ませています。

ストリートピアノが設置されているのは、輪島市門前町の「総持寺通り商店街」です。

今はバスの待ち合い所として使われている建物に、この商店街で工房を営む杉本豊さん(50)がことし2月にピアノを設置しました。

元は杉本さんの自宅を兼ねた店舗に展示されていましたが、地震で店舗が倒壊し、1か月余り後、ボランティアの手伝いも受けて運び出されたということです。

杉本さんはピアノの調律師もしていますが、音色などに問題はなく、奇跡的に傷も少ない状態だったため「みんなを元気づけたい」とストリートピアノとして設置したということです。

ピアノは商店街の関係者や復興支援に訪れた人たちに奏でられ、被災した人たちを和ませています。

近くにある市の施設の職員で、毎日弾きにくるという女性は「はじめは復興もままならず涙を流しながら弾いていましたが、今は前を向いて、誰かを元気づけられたらと毎日のように弾いています。気分転換になります」と話していました。

杉本さんは「店が倒壊したのでピアノは諦めていましたが、持ちこたえてくれていました。震災から4か月が過ぎて今後は心のケアが大切になると思うので、このピアノが誰かの支えになってくれるといいです」と話していました。