障害福祉サービス報酬不正 連座制「適切に対応したい」厚労相

東京 港区にある会社が運営する障害者向けグループホームが、障害福祉サービスの報酬を不正に請求していたとして、愛知県は事業所の指定取り消しを行う方針を固めています。武見厚生労働大臣は、会社の組織的な関与が認められた場合に、同じ会社のほかのすべての事業所の指定の更新を認めない、いわゆる「連座制」を適用するかどうかについて、「現時点で申し上げられないが、適切に対応したい」と話しました。

東京 港区に本社がある株式会社「恵」が運営する障害者向けグループホームでは、食材費の過大徴収が明らかになっていて、厚生労働省は、障害福祉サービスの報酬についても不正に請求していないか確認するよう、関係自治体に通知しています。

このうち愛知県は、県内の事業所が障害福祉サービスの報酬を不正に請求していたとして、来月、一部に対し、障害者総合支援法に規定されている行政処分のうち最も重い指定取り消しを行う方針を固めています。

また、名古屋市でも4つの事業所の指定取り消しが検討されています。

会社のホームページによりますと、「恵」は12の都県のおよそ100か所でグループホームを運営していますが、指定取り消しの処分を受けたあと、不正に会社の組織的な関与が認められると国が判断した場合は、法律の規定に基づいて、同じ会社のほかのすべての事業所でも指定の更新を認めない、いわゆる「連座制」が適用され、運営ができなくなる可能性があります。

これについて武見厚生労働大臣は、14日の閣議後の会見で「国による検査を実施中で、連座制の有無については現時点で申し上げられないが、障害者本人や家族の間には不安に感じている方もいるので、都道府県や市町村などと連携して適切に対応したい」と述べました。

川崎市 事業所指定6か月間停止の処分行う方針

川崎市によりますと、東京 港区に本社がある「恵」が運営する市内の施設「ふわふわ川崎高津」でも、おととし5月までの1年4か月間、利用者から食材費合わせて440万円を過大に徴収していたほか、利用者や家族の同意なしに支援計画を作成し、市から給付される費用およそ1000万円を不正に請求していたということです。

市は、この施設について、事業所の指定を6か月間停止する処分を行う方針を固めました。

市は、会社側の弁明を聞いたうえで正式に決定することにしていて、処分の期間中は障害福祉サービスの報酬の請求や新規の利用者の受け入れができなくなるということです。

運営会社「川崎市と調整の最中 コメントできない」

東京 港区にある「恵」の本社は、NHKの取材に対し「川崎市と調整している最中でコメントできない。改善の必要があれば誠心誠意しっかり対応していく」としています。