ガザ地区 国連車両に攻撃1人死亡 事務総長 全面的調査求める

イスラエル軍がガザ地区各地で攻撃を強めているなか、13日、国連の車両が攻撃され、国連のスタッフ1人が死亡しました。誰による攻撃かは明らかになっていませんが、グテーレス事務総長は、強く非難し、全面的な調査を求めました。

イスラエル軍がガザ地区各地で攻撃を強めているなか、13日、国連の車両が攻撃され、国連のスタッフ1人が死亡しました。

誰による攻撃かは明らかになっていませんが、グテーレス事務総長は、強く非難し、全面的な調査を求めました。

ガザ地区ではイスラエル軍による攻撃が続いていて、中部の難民キャンプでは空爆で死傷者が出ている上、南部ラファなどでは激しい地上戦が続いています。

こうした中、国連は、13日朝、国連の車両がガザ地区南部のラファの病院に移動する際に攻撃を受け、乗っていた国連のスタッフの1人が死亡し、別のスタッフ1人がけがをしたと明らかにしました。

国連は死亡したスタッフの詳細について明らかにしていませんが、パレスチナ人ではなく、国際スタッフだということで、去年10月に戦闘が始まって以降、ガザ地区で国連の国際スタッフが犠牲になったのは初めてだとしています。

攻撃を受けた車両を写した映像からは、ボンネットの上や、車体の上部、側面に大きく「UN」の文字が書かれ、国連の旗も掲げられていて、国連の車両だということがすぐにわかるようになっているのが確認できます。

また、車両の後部座席の窓には銃弾を撃ち込まれたとみられる穴が数か所開いているのがわかります。

これまでにガザ地区で死亡した国連のスタッフはおよそ190人にのぼるということで、国連のグテーレス事務総長は声明を出し「ガザでの紛争が、民間人だけでなく人道支援スタッフにも大きな犠牲をもたらし続けている」と非難して全面的な調査を求め、人道目的の即時停戦とすべての人質の解放を改めて呼びかけました。

イスラエルメディアは、状況についてイスラエル軍が調査中で、誰が銃撃したかは明らかになっていないと伝えています。

一方、イスラム組織ハマスはイスラエル軍による銃撃だと主張しているということです。

林官房長官「国際法に従った行動求める」

林官房長官は、閣議のあとの記者会見で「ガザ地区ではこれまでも多くの民間人が攻撃を受け犠牲になっており、国連職員や援助関係者を含む民間人に被害が発生していることを深く憂慮する。これ以上、一般市民や援助関係者の死傷者が出ないよう、引き続きすべての関係者が国際人道法を含む国際法に従って行動することを求めていく」と述べました。