「生命のメッセージ展」池袋暴走事故の遺族が初めて参加

犯罪や交通事故で亡くなった人たちの等身大のパネルや遺品などを通して命の尊さを伝える展示会が14日から東京で開かれます。東京・池袋の暴走事故で妻と娘を亡くした遺族が初めて展示に参加し、「犯罪被害や交通事故への理解が広がってほしい」と訴えました。

この「生命のメッセージ展」は、犯罪や交通事故で家族を失った遺族などが全国各地で開いていて、14日からは国会議員などに向けて東京・永田町で行われます。

会場には、亡くなった149人の等身大のパネルが並べられ、遺品の靴や写真などが添えられています。

今回は、5年前に東京・池袋で起きた高齢ドライバーによる暴走事故で妻の松永真菜さん(31)と長女の莉子ちゃん(3)を亡くした松永拓也さん(37)が初めて展示に参加しました。

パネルは、2人の身長と同じ153センチと90センチの大きさで、真菜さんが莉子ちゃんを後ろから抱きしめているように重ね合わせて置かれています。

スニーカーとサンダルは2人が事故当時履いていたもので、事故後初めて手に取ったという松永さんは、袋から取り出してパネルの足元に並べると、目に涙を浮かべていました。

松永さんは「犯罪被害や交通事故への理解が広がってほしい。ここにいる方たちが命を落とした背景にはさまざまな社会問題があることを直視し、法改正やよりよい社会の構築に役立ててほしい」と話していました。