インド総選挙 パキスタンと領有権を争うカシミール地方で投票

インドの総選挙は、インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方の政府の直轄地で投票が行われました。インド政府が長年、認めていた州の自治権を撤廃してから初めての選挙で、有権者が統治の強化をどのように評価するかが焦点となります。

インドの総選挙は全国543の選挙区で7回に分けて行われ、13日は4回目の投票が96の選挙区で行われました。

投票はインドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方のうち、インド政府が直轄地とするジャム・カシミールの中心都市スリナガルでも行われ、治安当局が厳戒態勢を敷くなか、有権者が1票を投じていました。

カシミール地方のインド側が実効支配する州では、70年間にわたって自治権が認められていましたが、5年前にインド政府が撤廃し、直轄地としました。

その後、初めてとなる今回の選挙では、イスラム教徒が多数を占める住民から反発の声があがるなか進められてきたインド政府による統治の強化を有権者がどう評価するかが焦点となります。

選挙戦では、自治権の回復を求める2つの地域政党がモディ首相の退陣を訴えている一方で、モディ政権が掲げる観光の振興やインフラ投資など地域の経済対策に融和的な姿勢を示す新興政党が支持拡大を目指しています。

投票を終えた40代の男性は「自治権を取り戻すために1票を投じた」と話し、インド政府による統治の強化に反対する考えを示していました。

また20代の男性は「この地域では、雇用やインフラ整備など多くの課題を抱えている」として経済対策を重視すると話していました。

開票は、6月4日に一斉に行われます。