パドレス ダルビッシュ有 日米通算200勝に王手 ドジャース戦で

大リーグ、パドレスのダルビッシュ有投手が12日、ドジャース戦に先発登板し、7回を無失点と好投して今シーズン3勝目をあげ、日米通算200勝まであと1勝に迫りました。

パドレスは本拠地サンディエゴでドジャースと対戦し、ダルビッシュ投手は中5日で先発登板しました。

アメリカはこの日が「ハッピーマザーズデー」母の日で、両チームの選手や審判がピンク色の用具を着用して試合に臨み、ダルビッシュ投手もピンク色のグローブや靴ひもでマウンドに上がりました。

ダルビッシュ投手は立ち上がりから力強い速球を軸にドジャースの強力打線を抑え、3回には、低めの変化球と伸びのあるツーシームをコーナーに決めて三振2つを奪うなど、4回までランナーを1人も出さないパーフェクトピッチングを見せました。

打線の援護を受けて3点リードで迎えた5回は、2アウトからフォアボールとヒットでランナー2人を背負ったものの、続くバッターをキレのある変化球でセンターライナーに打ち取り、得点を許しませんでした。

4点にリードが広がった6回は、ツーベースヒットを打たれて5回に続いて得点圏にランナーを背負いましたが、後続のバッターを150キロ台の速球で空振りの三振に抑えるなど力強いピッチングで乗り切りました。

ダルビッシュ投手は、7回にも2者連続の三振を奪って得点を許さず、無失点でマウンドを降りました。

球数は今シーズン最多の101球を投げ、打たれたヒットは2本、与えたフォアボールが1つ、三振を7つ奪う力投でした。

試合はパドレスが4対0で勝ち、ダルビッシュ投手は今シーズン3勝目をマークして日米通算199勝とし、200勝の達成に王手をかけました。

一方、腰の張りのため、この試合、大事をとって先発を外れたドジャースの大谷翔平選手は、ベンチで試合の様子を見守り、代打での出場はありませんでした。

大谷選手の欠場は、ドジャースに移籍後2回目です。

ダルビッシュ「早く達成して早く気が楽になりたい」

日米通算199勝目をあげたダルビッシュ有投手は「きょうは全体的にリズムがよく、まっすぐも走っていて速球で押していくことができた。相手の調子と自分の調子を見て変化しながら投げることができた。ドジャース打線は試合の後半に強いが、0点に抑えられたので気持ちが入ってよかった」と7回無失点の好投を振り返りました。
日米通算200勝に王手をかけたことについては「なるべく早く達成して早く気が楽になりたい。次の試合までにしっかりと調整してまた勝ちたいと思う」と話しました。
また、母の日にどんな思いで投げたのかと聞かれると「自分の妻も、自分の母親もいろんな犠牲を払って支えてくれているので、感謝の気持ちを胸に投げた」と話していました。

強力なドジャース打線を押さえ込んだ速球

この試合、ダルビッシュ投手は8つの球種を投げ分けて強力なドジャース打線を押さえ込みました。

そのポイントにあげたのはストレートやツーシームといった速球系のボールでした。

そのうえで速球の球威をあげることや、体の開きを抑えてボールの出どころが見えづらくなるよう上半身をうまく使うフォームに修正していることを明かしました。

この試合のストレートの平均球速は152.5キロと、今シーズンのこれまでの平均球速を1キロ以上上回りました。

ダルビッシュ「相手の裏をかきながらなんとか勝てた」

速球の手応えについてダルビッシュ投手は「前回からフォームをがらっと変えて、あまり力を入れずに球速も出ていたのでよかった。ボールもだいぶ見えづらくなっていると思うし、それがバッターの反応として見ることができた」と自信を深めていました。

そのうえで「ドジャースは変化球ねらいだったと思うので、相手の逆をついたから押せたというところもある。相手の裏をかきながらなんとか勝ててよかった」と冷静に振り返りました。

そして「自分に合っているフォーム、無駄のないフォームにすることによって、意外とパフォーマンスが落ちていくのは食い止められる気がした。まだできることがたくさんあるし、きょうはたまたまよかっただけかもしれないので、もう1回自分の動作を確認してよりよいものにしていきたい」と話し、37歳になっても理想の投球フォームを追求していく考えを示しました。

一方、この試合を欠場したドジャースの大谷翔平選手については「きのうから腰を気にしていたが、まさか出ないとは思っていなかった。何週間も前から対戦を楽しみにしていたので残念だったが、早くよくなってほしい」と気遣っていました。