【詳細】イスラエル・パレスチナ・中東情勢(5月13日)

イスラエル軍はガザ地区の南部ラファへの攻撃を続け、地元メディアは13日も死者が出ていると伝えています。
ラファからはこれまでに36万人が避難を余儀なくされたとみられ、同盟関係にあるアメリカからも今後の地上作戦に対する懸念が強まっています。

※中東情勢に関する日本時間5月13日の動きを随時更新してお伝えします。

イスラエル軍 南部ラファを空爆 ガザ地区北部でも攻撃再開

イスラエル軍は、ガザ地区南部ラファで地上部隊や空爆による攻撃を続けるとともに、一度は制圧したとしていたガザ地区北部でも、ハマスが再結集する動きがあるとして攻撃を再開しています。

パレスチナの地元メディアは13日、ラファへの空爆で住民4人が死亡したと伝えています。

またガザ地区の保健当局は12日、これまでの死者が3万5034人に上ったと発表しています。

現地で支援にあたるUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は13日、ラファからはこれまでに36万人近くが避難したとしたうえで「停戦なしに安全はない」と訴えています。

地上作戦めぐり 米とイスラエル高官が相次いで電話会談

こうした中、ラファでの地上作戦をめぐって12日、アメリカとイスラエルの高官が相次いで電話会談しました。

このうちブリンケン国務長官はガラント国防相との電話会談の中で、大規模な地上作戦に反対することを伝え、民間人の保護や人道支援を拡大する必要性を強調したということです。

また、サリバン大統領補佐官もハネグビ国家安全保障顧問との電話会談で、大規模な地上作戦の代替案を協議したということです。

同盟関係にあるアメリカからも懸念が強まる中、イスラエル軍がラファでの地上作戦を拡大するのかが焦点となっています。

“ガザ北部に新たな検問所を開設” イスラエル軍

イスラエル軍は12日、アメリカ政府と連携し、ガザ地区北部に「西エレズ」と呼ばれる新たな検問所を設けたと発表し、検問所とみられる場所をトラックが次々と通り抜ける映像を公開しました。

検問所の開設についてイスラエル軍は「ガザ地区への支援ルートを増やすための努力の一環だ」としていて、トラック数十台分の小麦粉が搬入される予定だとしています。

国連によりますと、ガザ地区では食料や燃料などが不足し、人道状況の悪化が懸念されていて、新たな検問所の開設が支援の拡大につながるかが焦点です。