大相撲夏場所 初日に1横綱と4大関 全員敗れる波乱 昭和以降初

大相撲夏場所が東京 両国の国技館で初日を迎え、横綱 照ノ富士のほか、4人の大関陣が全員敗れる波乱の展開となりました。横綱・大関が5人以上出場して初日に総崩れとなったのは昭和以降初めてです。

初日から1横綱4大関 敗れる大波乱

先場所、腰のけがのため途中休場した照ノ富士は、10回目の優勝を目指し、所要6場所で新三役に昇進した大の里の挑戦を受けました。

照ノ富士は立ち合い、大の里に右を差されると、すぐに左も差され、もろ差しの形を許し、そのまま「すくい投げ」で敗れ、初日から黒星を喫しました。大の里は、横綱から初めての白星です。

今場所から元横綱の祖父のしこ名を襲名した大関 琴櫻は、平幕に番付を落とした大栄翔との一番で、立ち合いでまわしを取れず、突き押しでの攻めに切り替えました。しかし、逆に大栄翔の激しい突き押しを食らい、「押し出し」で敗れました。

また、そのほかの大関陣では、
▽豊昇龍が熱海富士に

▽貴景勝が平戸海に

▽霧島が豪ノ山に
それぞれ敗れ、横綱1人と大関4人、全員が黒星を喫しました。

横綱と大関が5人以上出場して総崩れとなったのは、平成18年の秋場所以来で、初日に限ると、昭和以降では初めてです。

《力士など談話》

大の里「土俵際もうまく反応できた」

横綱 照ノ富士を破った新小結の大の里は「止まることなく、自分に有利な形で腰をぶつけたし、土俵際もうまく反応できてよかった」と振り返りました。12日は、家族が国技館で観戦していたということで「家族がみんな来ていたので勝ててよかった。勝ちを目に焼き付けてくれたと思う」とうれしそうでした。

平戸海「自信になる」

自己最高位となる前頭2枚目で臨んでいる平戸海は押し相撲を得意とする大関 貴景勝を突き押しで圧倒し「立ち合いでしっかり当たることしか考えていなかった。自信になる」と振り返りました。

豪ノ山「上を目指して気合いを」

平幕の豪ノ山は大関 霧島を押し出しで破り「より一層、自分の相撲をしっかり徹底して取っていきたい。上を目指して気合いを入れていきたい」と引き締まった表情で答えていました。

大栄翔「またあした気持ちを切り替えて頑張る」

前頭筆頭の大栄翔は大関・琴櫻に勝ちましたが「初日なので、またあした気持ちを切り替えて頑張る」と話しました。

大関 琴櫻「必死に取っているだけだ」

敗れた琴櫻は「必死に取っているだけだ。あしたに向けて切り替える」と淡々と答えました。
そして、琴櫻にしこ名を変えて臨んだ初めての土俵に緊張したかを問われると「関係ない」と険しい表情で短く答えました。

審判部長 高田川親方「全員負けるとは思わなかった」

日本相撲協会審判部で部長を務める高田川親方は、横綱 大関が総崩れとなったことについて、「こういうこともあるんだろうが、5人全員負けるとは思わなかった。ただ、相手がいい相撲を取っていた。立て直してくれると思うし、ここからどれだけ挽回できるかだ。あした以降に期待したい」と話していました。

中入り後の勝敗

▽剣翔に今場所、幕内に復帰した宝富士は、宝富士が「寄り切り」で勝って初日白星を挙げました。

▽友風に狼雅は、狼雅が「上手投げ」

▽時疾風と欧勝馬の新入幕どうしの対戦は、欧勝馬が「寄り切り」で制しました。

▽竜電に美ノ海は、竜電が「寄り切り」

▽水戸龍に錦富士は、錦富士が「押し倒し」

▽一山本に北勝富士は、北勝富士が「押し出し」

▽佐田の海に金峰山は、金峰山が「押し出し」で勝ちました。

▽湘南乃海に正代は、湘南乃海が「はたき込み」

▽玉鷲に琴勝峰は、玉鷲が「押し出し」

▽隆の勝に御嶽海は、御嶽海が「押し出し」

▽錦木に翠富士は、翠富士が「寄り切り」で勝ちました。

▽阿武咲に明生は、明生が「肩透かし」

▽王鵬に宇良は、宇良が「寄り切り」で勝ちました。

▽翔猿に阿炎は、翔猿が「引き落とし」

高安が若元春に勝利

▽若元春に高安は、高安が「押し出し」

▽豪ノ山に角番の大関 霧島は、豪ノ山が「押し出し」

▽大関 貴景勝に平戸海は、平戸海が「押し出し」で勝ちました。

▽大栄翔に大関 琴櫻は、大栄翔が「押し出し」

▽大関 豊昇龍に熱海富士は、熱海富士が「上手投げ」。大関4人は、初日そろって敗れました。

▽横綱 照ノ富士に新小結の大の里は、大の里が「すくい投げ」で勝ちました。