ロシア “ハルキウ州で5集落を掌握”と発表 陽動作戦の見方も

ウクライナ東部ハルキウ州にロシア軍の部隊が北から国境を越えて侵入し、ロシア国防省はハルキウ州で5つの集落を掌握したと発表しました。これに対しウクライナ側は激しい戦闘が続き、ロシア軍の前進を食い止めているとしています。

ウクライナ東部ハルキウ州では10日、ロシア軍の部隊が大規模な砲撃を行うなど北から国境を越えて侵入し、ロシア国防省は11日、ハルキウ州北部の国境近くにある5つの集落を掌握したと発表しました。

国境近くのこれらの集落についてハルキウ州のシネグボフ知事は11日、激しい戦闘が続いているとし、およそ2000人の住民が避難したと明らかにしました。

その上でウクライナ軍はロシア軍の前進を食い止めているとしています。

ゼレンスキー大統領は動画での演説で「ハルキウ方面での部隊を増強している。攻撃をもくろむロシアの侵略者をせん滅する」と述べ、ロシア軍を撃退できると強調しました。

一方、ウクライナ軍は11日、東部ドネツク州などほかの地域でもロシア軍との激しい戦闘が続いているとしています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」はロシア軍がハルキウ州北部で「戦術的な足場」を確保し、さらに進軍を目指す可能性が高いと分析する一方で、今回の国境を越えての侵入はロシア軍が東部のほかの前線で進軍をねらううえで、ウクライナ軍の部隊をハルキウ州に引きつけさせる陽動作戦の思惑もあると指摘しています。