サッカーACL決勝第1戦 横浜F・マリノス UAEのアルアインに勝利

サッカーのアジアナンバーワンクラブを決めるACL=アジアチャンピオンズリーグの決勝、第1戦が11日夜、横浜市で行われ、初優勝を目指す横浜F・マリノスがUAE=アラブ首長国連邦のアルアインに2対1で逆転勝ちしました。

ACLの決勝は、F・マリノスとアルアインがホームアンドアウェー方式で戦い、2試合の合計得点で優勝を争います。

第1戦は11日夜、F・マリノスのホーム、横浜市で行われました。

試合は序盤から攻守が激しく入れ替わる展開となり、前半12分、F・マリノスはスピードのある相手選手に左サイドから突破を許してゴール前まで運ばれ、相手のシュートをゴールキーパーがはじいたところで、こぼれ球を押し込まれて先制されました。

その後は、F・マリノスが攻勢に出て、シュートが枠を捉える場面もありましたが、相手ゴールキーパーに阻まれ、前半は得点できずに、0対1で折り返しました。

後半も相手より長くボールを持ちながら、なかなかシュートチャンスを作ることができませんでしたが、27分に右サイドからのクロスボールに22歳の植中朝日選手が頭で合わせて同点に追いつきました。

さらに39分、渡辺皓太選手がゴール前で味方のシュートに触れてコースを変え、ゴールに流し込みました。

このプレーは、一度はオフサイドと判定されましたが、VAR=ビデオ・アシスタント・レフェリーの結果、ゴールが認められて勝ち越し、2対1でF・マリノスが逆転勝ちしました。

第2戦は5月25日、日本時間の26日未明にアルアインのホームで行われ、2試合の合計得点で上回れば、F・マリノスの初めての優勝が決まります。

チームとサポーターの絆が逆転勝利に

「これだけ多くのサポーターが集まってくれたので、自分たちのプレーと結果で表現できた」。

5万3000人を超えるサポーターが詰めかけた大一番。
キャプテンの喜田拓也選手は、チームとサポーターの絆が逆転勝利につながったと振り返りました。

これまでACL=アジアチャンピオンズリーグのタイトルを手にしたJリーグのチームは、▽浦和レッズが3回、▽ガンバ大阪と鹿島アントラーズがそれぞれ1回。

J1制覇5回など、輝かしい実績を持つ横浜F・マリノスは、これまでベスト16が最高成績でした。

激戦の準決勝を勝ち抜いてついにたどりついた決勝。

小学生のときF・マリノスの下部組織に入り、以来一筋でプレーしてきた29歳のキャプテン、喜田選手は、試合前、選手たちにこう語りかけたといいます。
「長い道のりでたくさんのことがあったが、歯を食いしばってここまできた。チームの仲間を信じてやれば大丈夫だ」。

決勝の第1戦。
ホームスタジアムに集まったサポーターたちが「アジアを勝ちとろう」と大声援を送る中、選手たちは相手に先制を許したものの持ち味の攻撃力を発揮して攻め続け、後半に2得点を奪って逆転勝ちしました。

決勝ゴールを決めた渡辺皓太選手は「会場にバスで入る時から多くのサポーターが声援を送ってくれて鳥肌が立った。この人たちのために勝つしかないと思った。最高の雰囲気を作ってくれた」とサポーターへの感謝の思いを口にしました。

選手やスタッフ、そしてサポーターの“絆”でホームでの第1戦に勝利したF・マリノス。

キャプテン、喜田選手は冷静に次を見据えました。
「まだ何も勝ち得ていない。収穫と反省を踏まえてしっかりと第2戦に向けて成長していきたい」。

喜田拓也「どんな形であっても優勝という結果を」

キャプテンの喜田拓也選手は5万3000人を超えるサポーターが集まった試合を振り返って、「集まってくれたサポーターの姿からもどれだけこのタイトルをみんなが望んでいるか伝わってきたし、ここでやらなきゃ男じゃないと思った。先制点を取られて慌ててもおかしくないところだったが、自分たちがやるべきことをやれば必ず逆転できると信じて戦うことができた」と振り返りました。

その上で初優勝がかかる第2戦に向けて「まだ何も勝ち得ていないので、収穫と反省を踏まえて短い期間ではあるがしっかりと第2戦に向けて成長していきたい。どんな形であっても優勝という結果をもぎ取りたい」と決意を込めて話しました。

植中朝日「負けるわけにはいかなかった」

同点ゴールを決めた植中朝日選手は「これだけたくさんの人に見に来てもらった中で負けるわけにはいかなかった。勝つことができてほっとしている。前半からいいクロスボールがたくさん上がっていて、自分を含め中にいる選手がもっと入り込んでいれば決められたのではないかというシーンがたくさんあった。得点のシーンはそうならないようにゴール前に飛び込もうと決めていた。そこにすごくいいボールが来て決まった瞬間は喜びで感情が爆発した」と振り返りました。

また、自身のサッカー人生でまだ1度もタイトルをとったことがないとして「第2戦もしっかり勝って帰ってきて、サポーターも含めてみんなで喜びたい」と意気込みを話していました。

渡辺皓太「なぜそこにいたかも含めて何も覚えていない」

決勝点を決めた渡辺皓太選手は、ゴールの場面について「なぜそこにいたかも含めて何も覚えていない。自分のプレーで必ず勝ちにもっていきたい気持ちで試合に入ったのでそれが結果につながってよかった。オフサイドかどうかは自分自身も分からなかったので祈るしかなかったが、ゴールが認められた瞬間はすごくうれしかった」と振り返りました。

そして悲願の初優勝がかかるアウェーでの第2戦に向けて「まだ半分終わっただけなので、リードしていることは忘れていちからのつもりで勝ちに行きたい」と意気込んでいました。