【衛星画像】イスラエル軍攻撃でラファの建物200棟超が損壊

イスラエル軍が今月7日、ガザ地区南部ラファで開始したと発表した「限定的な作戦」の攻撃によって、住民などに退避を通告した地域ですでに200棟を超える建物が損壊するなど、大きな被害が出ていることが衛星画像の分析でわかりました。

イスラエル軍は今月6日、およそ120万人が身を寄せるガザ地区南部ラファで、東側のおよそ30平方キロメートルの範囲から安全のため直ちに退避するよう住民などに通告しました。

6日、現地のジャーナリストはその東部でイスラエル軍の空爆があったと明らかにしていて、翌日の7日、イスラエル軍は声明で、地上部隊を含む限定的な作戦を開始したと発表しました。

NHKはその7日にラファ付近を捉えた衛星画像を5日から6日にかけて撮影された画像と比較しました。

オレンジ色の線で囲まれたのが住民などに退避が通告された地域です。

画像を比較して大きく壊れたことがわかる建物を黄色の点で示しました。

こうした建物は200棟を超え、激しい攻撃が行われたことが明らかになりました。

【攻撃前】今月5日に撮影された衛星画像

【攻撃後】今月7日に撮影された衛星画像

イスラエルとの境界に近い場所では道路沿いに並ぶいくつもの建物がめちゃめちゃにつぶれているのが確認できます。

【攻撃前】今月5日に撮影された衛星画像

【攻撃後】今月7日に撮影された衛星画像

また、建物と樹木があった場所は地面がむき出しになり、車両が並んで前線基地のように使われている様子がわかります。

イスラエル軍が今回の作戦で掌握したと発表したエジプトとの境界にあるラファ検問所の近くでも住宅地の建物が損壊し、周囲に黒っぽい痕跡が広がっています。

さらに赤の点で示した場所では建物以外にも農業用ハウスなどが取り壊されるなどしていることが画像から確認できました。

アメリカなどがラファへの大規模な地上作戦を支持しない立場を明らかにする中、イスラエル軍が「限定的な作戦」とする攻撃によって、すでに被害が拡大していることが見えてきました。