ウクライナ国防省 東部ハルキウ防衛強化へ部隊派遣

ウクライナの国防省はロシア軍が東部ハルキウ州で「われわれの防衛ラインを装甲車の部隊で突破しようとした」として、前線の防衛を強化するために追加の部隊を派遣したと発表しました。ハルキウ州の知事はロシア側が国境を越えようとしたものの撃退に成功したとしています。

ウクライナの国防省はロシア軍が10日早朝、東部ハルキウ州で「われわれの防衛ラインを装甲車の部隊で突破しようとした」とSNSで明らかにしました。

現時点では、ロシア側の攻撃を撃退したものの、地上攻撃を受けて激しい戦闘が続いているとしています。

ロイター通信はウクライナ軍の高官の話として、ロシア軍は緩衝地帯を設けるため、ハルキウ州の北部にあるボフチャンシクの周辺で、国境から1キロほどのところまで進軍したとして「この攻撃は新たな戦線を開いた」と伝えています。

また、ハルキウ州のシネグボフ知事は10日、ロシア側がボフチャンシクに対して一晩中、ミサイルや砲撃などによる激しい攻撃を行ったほか、国境を越えようとしたものの撃退に成功したとSNSに投稿しました。

そのうえで「ウクライナ軍は陣地を1メートルも失っていない」と強調し、ロシアとの国境沿いの地域に暮らす住民に対し、安全のため避難所にとどまるよう呼びかけました。

ハルキウ州は前線のある東部ドネツク州に隣接し、ウクライナ側は今月末にもロシア軍が攻勢をかけるおそれがあると警戒していました。