紙の出荷量ピーク時の半分に デジタル化など背景 業界再編も

ペーパーレス化によって紙の需要の減少が続くなか、昨年度の国内出荷量が初めて1000万トンを下回り、2007年度のピークからおよそ半分にまで落ち込みました。製紙業界にとどまらず、オフィス向け機器を手がける業界でも事業再編や業界再編の動きがさらに加速することが予想されます。

業界団体の日本製紙連合会によりますと、ティッシュや印刷用紙、それに新聞などに使われる洋紙の昨年度の国内出荷量は948万トンで、前の年度から9%減少しました。

今の統計で比較が可能な1988年度以降で初めて1000万トンを下回り、2007年度のピークと比べると48%の減少と、およそ半分にまで落ち込んでいます。

背景にあるのは、ペーパーレス化やデジタル化の拡大で、製紙業界では、大王製紙と北越コーポレーションが原材料の調達や生産面での技術協力などで提携する検討を進めています。

オフィス向けの複合機などを手がける業界でも、富士フイルムホールディングスとコニカミノルタが原材料などの調達で合弁会社を設立する協議を始めているほか、リコーと東芝テックも複合機などの開発と生産の部門をことし統合する計画で、事業再編や業界再編の動きがさらに加速することが予想されます。