ロシア “ゼレンスキー大統領らを指名手配のリストに追加”

ロシア内務省は、ウクライナのゼレンスキー大統領らを指名手配したと明らかにし、プーチン政権が重視する戦勝記念日などを前に、ウクライナへの軍事侵攻を改めて正当化しようとする思惑もあるとみられます。

ウクライナ軍は5日、ロシア軍との間で過去24時間に95回の戦闘があったと発表し、ロシアはウクライナ東部ドネツク州などで攻勢を強めています。

こうした中、ロシア内務省は、ウクライナのゼレンスキー大統領と、2014年から5年にわたり大統領を務めたポロシェンコ前大統領、それにウクライナ陸軍のパブリュク司令官を、指名手配のリストに追加したと、4日に明らかにしました。

ロシアの刑法に違反したと主張していますが、具体的な容疑は示していません。

これについて、ウクライナ外務省は4日に声明を発表し、ロシアのプーチン大統領にはICC=国際刑事裁判所から戦争犯罪の疑いで逮捕状が出されていることに触れたうえで、「ロシアがプロパガンダに躍起になっていることを示すものだ」としています。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は4日、ロシア側の対応について、「欧米寄りのウクライナ政府の信頼性を傷つけ、外交的に孤立させようとするもので、情報操作の試みの可能性が高い」と分析しています。

ロシアでは、5月7日からプーチン大統領の通算で5期目の任期が始まるのに続き、9日にはプーチン政権が重視する第2次世界大戦の戦勝記念日を迎えます。

プーチン政権としては、これを前にゼレンスキー大統領らの指名手配を発表し、ウクライナへの軍事侵攻を改めて正当化しようとする思惑もあるとみられます。