円相場 米雇用統計発表で円高進む 1週間で最大8円以上値上がり

外国為替市場では今週月曜日に34年ぶりに一時、1ドル=160円台まで円安が進みましたが、政府・日銀による市場介入が繰り返されたとの観測から円高に振れました。3日はアメリカの雇用統計の発表を受けて一段と円高が進み、この1週間で最大で8円以上も値上がりする激しい値動きとなりました。

3日のニューヨーク外国為替市場ではこの日発表されたアメリカの先月の雇用統計が注目されました。

農業分野以外の就業者の伸びが市場予想を大きく下回り、FRB=連邦準備制度理事会が利下げを始める時期が遅くはならないとの見方から日米の金利差が縮むことが意識されて、ドル売り円買いの動きが強まりました。

円相場は一時、1ドル=151円台後半まで円高が進みました。

今週は日本時間29日・月曜日に円相場は34年ぶりに一時、1ドル=160円台まで下落しましたが、その直後と2日早朝に日本の政府・日銀が市場介入を行ったとの観測が強まっています。

金融仲介会社「東短リサーチ」の分析をあわせると、あわせて8兆円規模の市場介入が行われたとみられています。

円相場はこの1週間で最大で8円以上も円高が進む激しい値動きとなりました。

ただ、市場では介入があったとしても効果は短期的で日米の金利差が開いた状況では円安の流れを止めることは難しいとの見方が多くを占めています。

今後のFRBと日銀の金融政策の方向性が引き続き円相場を左右することになりそうです。

鈴木財務相「コメントしない」

鈴木財務大臣は、訪問先のジョージアで3日、行われた記者会見で市場介入を行ったのか問われたのに対し、「そのことについてはコメントしない」と述べ、言及を避けました。

その上で、鈴木大臣は「為替相場は市場においてファンダメンタルズ=経済の基礎的条件を反映した形で決まっていくことが基本で、安定的に推移することが望ましく急激な変化は好ましくない。行き過ぎた動きがある時には、それをならすことが必要になるかもしれない」と述べ、市場の動きをけん制しました。