石川 能登町 伝統の「あばれ祭」ことしも7月に開催へ

「キリコ」と呼ばれる巨大な灯籠を担いでたいまつの周りを練り歩く、石川県能登町の伝統の「あばれ祭」は、能登半島地震の影響で開催が危ぶまれていましたが、例年どおり、ことしも7月に開催されることになりました。

能登町の宇出津地区で江戸時代から続くとされる「あばれ祭」は、参加者たちが高さが6メートルを超えるものもある巨大な灯籠「キリコ」を担いで、燃え盛る「大たいまつ」の周りを練り歩きます。

ことしの開催については、能登半島地震の影響で、道路や祭りの重要な拠点となる鳥居などが壊れ、安全管理や費用面の問題から危ぶまれていました。

こうした中で、地元住民でつくる祭の協議会が議論した結果、「祭の開催が町の復興につながる」という意見が多く出され、例年どおり、ことしも7月に開催することを決めたということです。

住民の費用負担を抑えるため、たいまつの材料となる木の枝を山から運び出す作業はボランティアが担うことになり、3日朝は120人余りが近くの山に入り、県の木に指定されている「能登ヒバ」の枝を順番に手渡しで運びました。

運んだ枝の束は燃えやすくなるよう1か月ほど乾燥させたあと、高さ7メートルにもなる「大たいまつ」などを作るのに使うということです。

祭の準備を指揮する時長大和さん(41)は「自分たちの町、自分たちの祭りなので、できることはやろうと思いました。開催には賛否あると思いますが、あばれ祭が地元の活力になってくれれば」と話していました。

ことしの「あばれ祭」は、7月5日と6日に開かれます。