中国海軍 3隻目の空母が初の試験航海 米けん制や台湾へ圧力か

中国海軍が台湾方面などを管轄する部隊に配備するとみられている3隻目の空母が、1日、試験航海を開始しました。対立するアメリカをけん制するほか、今月発足する台湾の新政権への圧力をいっそう強める思惑もありそうです。

国営の中国中央テレビは、中国海軍の3隻目の空母「福建」が1日午前、上海にある造船所を出て、試験航海を開始したと伝えました。

おととしの進水以来試験航海が伝えられるのは今回が初めてです。

空母「福建」はすでに就役している中国の2隻の空母より大型で、艦載機も増えるとされています。

また、艦載機を加速して発進させるのに使う電磁式カタパルトという装置が初めて装備され、さまざまな機体の運用が可能になるとしています。

「福建」は、中国海軍で台湾方面などを含む東シナ海を管轄する東海艦隊に配備されるとみられていて、複数回行われる試験航海は就役に向けた最終段階となります。

中国中央テレビは「空母の3隻体制が整えば作戦と訓練、補修を同時に進め重要海域で常に空母を展開できる」と伝えていて、習近平指導部としては着々と戦力を強化し、中国を抑え込もうとするアメリカをけん制するねらいがあるとみられます。

また、中国が「台湾独立派」として警戒する台湾の頼清徳次期総統が今月20日に就任するのを前に、圧力をいっそう強める思惑もありそうです。