「靴」のリサイクルに向けて メーカーの間で技術開発が進む

衣類に比べてリサイクルが難しいとされる「靴」の再利用に向けて、メーカーの間で技術開発が進んできています。

スポーツ用品メーカーの「アシックス」が開発したランニングシューズは、素材の数を減らしたり熱を加えると剥がれやすい接着剤を使ったりすることで、分解して再利用しやすいように設計されています。

この技術によって、靴の上部の87%余りを原料として再利用できるほか、中底や靴底は細かく砕いて運動用のマットなどの素材になる予定だということです。

4月から日本のほか、アメリカやヨーロッパなど、世界8か国で一斉に販売を開始し、靴を回収する仕組みもあわせて導入するということです。

会社によりますと、靴は衣類に比べて素材の多さなどからリサイクルが難しく、世界で1年間に生産される量の95%以上が焼却や埋め立てによって処分されているとする民間の調査結果もあるということです。

マテリアル部の上福元史隆 部長は「靴はリサイクルの仕組みが確立できていないので、業界での取り組みを広げていきたい」と話していました。

このほか国内では
▽スイスのスポーツ用品メーカー「On」が、半年ごとに靴を交換するサブスクリプションサービスで回収した製品のおよそ9割を再び靴の素材として再利用する仕組みを導入しているほか
▽アメリカの「ナイキ」が接着剤を使わない運動靴を販売するなど
リサイクルの促進に向けた技術開発が進んできています。