中国当局 福建省から台湾への団体旅行など条件付き再開の方針

中国当局は、台湾の最大野党・国民党の訪中団と会談したあと、南部の福建省の人たちの台湾への団体旅行や、台湾産のかんきつ類のぶんたんなどの輸入をそれぞれ条件付きで再開する方針を発表しました。

中国を訪れている台湾の議会、立法院の最大野党・国民党の立法委員団は28日、中国の観光当局や税関当局の幹部らと相次いで会談しました。

会談のあと、中国の観光当局は、現在停止している台湾への団体旅行について、台湾の対岸に位置する福建省に住む人たちにかぎり、条件付きで再開する方針を発表しました。

また、中国の税関当局も、台湾産のかんきつ類のぶんたんなどの農水産物を、検疫条件を満たした場合に輸入を再開する方針を明らかにしました。

台湾産のかんきつ類などの一部の農水産物について中国の税関当局は、おととし、当時のアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問した際、害虫などの検出を理由に輸入を停止していました。

中国共産党の最高指導部のメンバーは27日、立法委員団と面会し「皆さんの努力は両岸関係の発展に前向きな意義を持つ」と評価していました。

立法委員団を率いる国民党の傅※コンキ氏は、出発前「農水産物の輸出の拡大と観光客の誘致が目的だ」と述べていて、中国としては「1つの中国」の原則を認める国民党との交流が台湾に利益をもたらすと示すとともに、5月、台湾の総統に就任する民進党の頼清徳氏に「1つの中国」を認めるよう圧力をかけた形です。

※コンは「山へん」に「昆」、キは「くさかんむり」に「其」