連合 メーデー中央大会 “賃上げ 中小企業に波及” 宣言採択

労働団体「連合」のメーデー中央大会が開かれ、ことしの春闘での高い水準の賃上げの勢いを中小企業に波及させ、すべての働く人の生活向上につなげていくとした宣言を採択しました。

連合のメーデー中央大会は東京 渋谷区の代々木公園で開かれました。

主催者発表でおよそ2万8000人が参加し、岸田総理大臣が去年に続き出席しました。

この中で、連合の芳野会長は「働く人の7割がいる中小企業の給料が上がらなければ、みんなで賃上げとは言えない。労務費を含む適切な価格転嫁という当たり前の商習慣を根付かせていきましょう」と訴えました。

そして、ことしの春闘は多くの組合で去年を上回る賃上げを獲得し、デフレマインドを払拭(ふっしょく)して新たな経済社会のステージへ転換する大きな一歩を踏み出したとして、この勢いを中小企業に波及させすべての働く人の生活向上につなげていくとするメーデー宣言を採択しました。

また、宣言には能登半島地震の被災地や被災者に寄り添った支援活動に取り組むとする内容も盛り込まれました。

参加した飲食関係の労働組合の30代の男性は「業界では人手不足が課題で賃上げが必要です」と話していました。

生命保険会社で働く50代の女性は「女性が多く働く職場でもあり女性の活躍や収入アップが必要だと感じています。組合員の声を聞きながら取り組んでいきたい」と話していました。

5月1日には「全労連」や「全労協」によるメーデーの中央大会も開かれます。

岸田首相「物価上昇を上回る所得を必ず実現」

岸田総理大臣は去年に続いて連合のメーデー中央大会に政府代表として出席しました。

この中で岸田総理大臣は「長年にわたりしみついたデフレ心理を払拭(ふっしょく)し、賃金が上がるのが当たり前との方向に社会全体の意識を一気呵成(かせい)に変えなければならない。ことし、物価上昇を上回る所得を必ず実現し、来年以降に物価上昇を上回る賃上げを必ず定着させる。この2つを果たすため全力を挙げている」と述べました。

その上で「6月からは1人4万円の所得税・住民税の減税を行い、物価上昇を上回る所得を必ず実現する。来年以降、持続的な賃上げ定着のカギを握るのは中小企業と地方であり、労務費の価格転嫁を通じた賃上げの取り組みを進め、最低賃金の引き上げも、目標をできる限り早期に達成すべく環境整備を加速する。今後も連合の意見に耳を傾け、より連携し、政策を1つ1つ果断に丁寧に進めていく」と述べました。

立民 泉代表と国民 玉木代表“賃上げの流れを”

立憲民主党の泉代表と国民民主党の玉木代表もあいさつし、中小企業で働く人などにも賃上げの流れを広げていくことが重要だと訴えました。