キッコーマン社長 “円安で業績押し上げ 海外展開強化へ”

海外での売り上げ比率が高い大手食品メーカー「キッコーマン」の中野祥三郎社長は記者会見で円安による業績の押し上げ効果もある中、今後も海外展開を強化していく考えを示しました。

キッコーマンが26日発表したことし3月までの1年間のグループ全体の決算は
▽売り上げが前の年より6.8%増えて6608億円
▽最終的な利益が29.1%増えて564億円となり
いずれも過去最高となりました。

原材料高を背景に国内外で値上げを行ったほか、アメリカやヨーロッパなどでしょうゆなどの調味料の販売が好調だったということです。

海外での売り上げは全体のおよそ8割を占めていて、円安によって日本円にすると300億円余り押し上げられたということです。

中野社長は記者会見で、「円安になると海外事業は円ベースの売り上げも利益も膨らむ。アメリカやヨーロッパのほか、アジアや南米、インドなどでも伸ばす余地があり、事業を積極的に展開していく」と述べ、今後も海外展開を強化していく考えを示しました。

一方で、「国内事業は輸入原料を使っているのでコストアップが厳しい。円安が1ドル=160円や170円に進むようであれば、価格改定を考えなければならない」と述べ、国内事業では円安の状況に合わせて対応を検討していく考えを示しました。