新千歳空港 全日空機でオイル漏れのトラブル

24日夕方、新千歳空港に着陸した羽田発の全日空機でオイル漏れのトラブルがあり、機体から一時、煙のようなものが上がりました。消防によりますと、火災は起きておらず、乗客・乗員にけがはありませんでした。機体はその後、滑走路の外に運ばれ、全日空が詳しい状況を調べています。

全日空などによりますと、24日午後5時半ごろ、新千歳空港に着陸した羽田発の全日空71便でオイル漏れのトラブルがあり、機体は滑走路上で停止しました。

また、機体からは一時、白い煙のようなものが上がりましたが、すぐに収まり、消防によりますと、火災は起きておらず、乗客・乗員あわせて200人余りにけがはありませんでした。

そして午後6時半ごろに専用の車両を使って機体が駐機場に移動させられると乗客たちはバスに乗り込み、当初の予定よりおよそ2時間遅れて国内線のターミナルビルに到着しました。

北海道エアポートによりますと、このトラブルの影響で新千歳空港では2本ある滑走路のうち1本が2時間余りにわたって閉鎖されましたが、午後7時50分ごろに解除されました。この間、残る1本の滑走路で航空機の離着陸が行われたため、運航に大きな影響は出ていないとしています。

全日空が当時の詳しい状況やオイルが漏れた原因を調べています。

全日空 “漏れたオイルが気化か”

全日空によりますと、羽田空港を出発した全日空71便が新千歳空港に着陸したあと、操縦室で機体を制御する油圧システムのオイルの圧力が喪失したという表示が出たということです。

その後、機体を調べたところ一部からオイルが漏れているのが確認されたということです。

今のところ機体に燃えた形跡は確認されておらず、白い煙のようなものはオイルが気化したものとみられるとしています。

乗客乗員あわせて213人にけがはないということです。

午後5時半すぎの映像では機体から白い煙

NHKが新千歳空港に設置しているカメラで撮影した映像では、午後5時半すぎに着陸した全日空機が滑走路を進んで停止したあと、機体から白い煙が上がっているのが確認できます。

また、NHKが午後6時ごろに撮影した映像では、全日空の機体の周辺に複数の消防車両が待機している様子が確認できます。

乗り合わせたNHK職員 “「液体が漏れたため点検」とアナウンス”

この機体に乗り合わせていたNHKの職員によりますと、機内では「液体が漏れたため点検をしているが火災の心配はない」というアナウンスがあったということです。

また、機内でけがをしたような人はおらず、目立った混乱もないということです。

午後7時40分ごろ 機体から乗客が降りはじめバスに乗り込む

NHKが新千歳空港に設置しているカメラの映像では、午後7時40分ごろに全日空の機体から乗客が降りはじめ、機体の横にとめられたバスに乗り込んでいく様子が確認できました。

乗客らが乗り込んだバスは国内線ターミナルビルに向かうとみられます。

乗客「混乱はなく落ち着いていた」

トラブルがあった全日空機の乗客で、仕事で北海道を訪れていた都内に住む40代の男性は「着陸したあと、ふだんはゆっくりとブレーキをかけながら進んでいくのに、止まって動かなくなったのでいつもと違うなと思いました。特に機内でトラブルが起きたり声を荒げたりする人はいませんでしたが、あとで煙が出ていると聞いて驚きました。飛行機は年に3、4回乗りますがこうしたトラブルは初めてで、大事に至らなくてよかったと思います」と話していました。

都内から来た50代の男性は「乗客の皆さんは静かに待っていて、トイレも行くことができたので混乱はなく落ち着いていました。機内では変な臭いなど異常は感じませんでした」と話していました。

姉と沖縄に旅行に行き羽田空港から乗り継ぎで帰ってきた小樽市の70代の女性は「ことし1月の羽田空港での衝突事故を思い起こしました。機内にはお子さんもいてあちこちから泣き声はあがっていましたが、機長から何度も『火事の心配はないので安心して下さい』といったアナウンスがあったので、ほとんどの人が落ち着いていたと思います。ただ2時間ぐらい待ったので、列車の時間に間に合うかどうか気にかかっています」と話していました。