ウクライナ 現職閣僚を国有地不正取得疑いで捜査

ウクライナ当局は23日、現職の閣僚が日本円でおよそ11億円相当の国有地を不正に取得した疑いがあるとして捜査していると発表しました。汚職対策が喫緊の課題となっているゼレンスキー政権は、いっそうの対応を迫られることになります。

ウクライナで政府高官の汚職を取り締まる国家汚職対策局は23日、SNSに、現職の閣僚が土地の登記などを行う政府機関の職員らと結託し、およそ2億9000万フリブニャ、日本円でおよそ11億円相当の国有地を不正に取得した疑いがあるとして捜査していると発表しました。

さらにこの閣僚は、日本円でおよそ7億3000万円相当の国有地の不正取得も試みていたものの、捜査によって未然に防いだとしています。

ウクライナのメディアは、この閣僚はソリスキー農業食料相だと伝えています。

ロシアによる侵攻が始まってから現職の閣僚が捜査対象になるのは初めてとみられます。

ウクライナでは、国防省による制服や食料の調達をめぐる汚職疑惑が伝えられるなど、政府機関の職員の汚職や不正がたびたび問題になっています。

ウクライナに巨額の資金支援を行っている欧米諸国は、汚職対策の強化を繰り返し求めていて、ゼレンスキー政権はいっそうの対応を迫られることになります。