春の園遊会 愛子さまも初めて出席 北大路欣也さんなど招かれる

春の園遊会が開かれ、俳優の北大路欣也さんなど招待されたおよそ1400人が天皇皇后両陛下や皇族方と和やかなひとときを過ごしました。

園遊会は両陛下の主催で春と秋の2回東京・港区の赤坂御苑で開かれていて、両陛下の長女の愛子さまも初めて出席されました。

5年ぶりに開かれた去年の春と秋の園遊会では、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて会場内での食事やアルコールの提供は控えられましたが、今回からサンドイッチやオードブルなどの軽食の提供が再開され、両陛下や皇族方は庭園を回って招待された人たちと和やかにことばを交わされました。

このうち時代劇を中心に数多くの映画やテレビドラマに出演している俳優の北大路欣也さんには、天皇陛下が「本当に長年にわたり、芸術に大変尽力されておられますね」などとことばをかけられました。

北大路さんは天皇陛下と同じ2月23日生まれで、「誕生日が一緒なので、頑張っています」と話すと、両陛下は笑顔を見せられていました。

グラフィックデザインから絵画まで幅広く手がける現代美術家の横尾忠則さんとの懇談では、飼っていた猫を描いた横尾さんの作品に関するやりとりの中で、皇后さまがバッグからお住まいで飼っていた猫の写真を取り出して示しながら話される場面がありました。

皇后さまが「この子野良猫で、うちで保護しまして」などとことばをかけられると、横尾さんは「うちも野良は1匹だけいます」と応じ、「きょうはこんなお写真を見せていただけると思っていなかったので、大変うれしく思いました」と話していました。

また、日本サッカー協会と日本バスケットボール協会で会長を務めた川淵三郎さんは、天皇陛下が「サッカーにしてもバスケットボールも日本選手が海外で活躍を」とことばをかけられると「国内だけでは限界がありますから、海外に出てどれだけ活躍できるか、それが日本代表の実力をレベルアップさせるんです」などと答えていました。

出席した人たちは時折小雨が降る中、庭園を散策して記念写真を撮るなどして、和やかなひとときを楽しんでいました。

北大路欣也さん「大変うれしく思いました」

俳優の北大路欣也さんは天皇皇后両陛下との懇談を振り返って「40年以上前の学校の先生をやった私のドラマを『見ていましたよ』とおっしゃって、びっくりしました。楽しんでいただいたんだなと、大変うれしく思いました。本当にびっくりするような作品まで見ていただいて、自分の前向きな姿勢をとても支えて下さって、『その前向きな心で頑張ってね』というふうにおっしゃっていたので、『頑張ります』と答えました」と話していました。

今回初めて出席された愛子さまとは15年前、吹き替えを担当した映画の試写会で会ったことがあるということで「愛子さまに『覚えていらしゃいますか』と申し上げると、『当然覚えています。とてもいい映画でした』とおっしゃられて、とても感動しました」と話していました。

そのうえで「愛子さまが初めて参加される園遊会に自分も参加できて、この出会いに感謝します。15年前の愛子さまも存じ上げていますけれども、いろいろ勉強されてこれから新しい世界に向かっていく時期に園遊会でお会いできて、本当に幸せです」と話していました。

川淵三郎さん「試合見に来てくださいとお願いしました」

元日本サッカー協会会長の川淵三郎さんは懇談のあと報道陣の取材に応じ「愛子さまがサッカーが好きだというのが、きょうの大収穫です。ロシアワールドカップをすごく応援していただいたというのを聞いて、心からうれしく思いましたし、これからもっと好きになってもらいたいなと思いました」と話しました。

そのうえで「ぜひサッカーの試合を見に来てください、宮内庁が許可してくれないでしょうかと言ったら、愛子さまが『いや、そのお誘いは1回もありません』と話されたので、これを機会にお誘いさせていただきます、おもしろそうな国際試合の時にサッカー協会の方からご招待しますので、ぜひ国立競技場に見に来てくださいとお願いしました」と話していました。

石川県議会議長 善田善彦さん「被災者の方々にお伝えしたい」

園遊会には能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県の県議会議長 善田善彦さんも招待されました。

懇談の際、善田議長が「2度も能登にお越しいただきまして、本当にありがとうございました。被災地を回って励ましていただきまして、本当に感謝申し上げます」と述べると、天皇陛下は「大変な被害ですよね」と話されました。

そして「復興が順調に進みますことを心から願っております」とことばをかけられ、皇后さまも「能登の皆さんの生活が少しずつ落ち着いていかれれば」と述べられました。

懇談のあと善田議長は「被災地を訪ねて避難者にお声をかけていただき、心から励まされたとお伝えしました。県議会の代表として、石川県に帰ってからしっかりと被災者の方々にお伝えして、皆様方を勇気づけたいと思います」と話していました。