UNRWAめぐる検証グループの最終報告書 “中立性確保と評価”

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関について、検証グループは最終報告書で、中立性を確保するための仕組みや手続きが確立されていると評価しました。一方、UNRWAの一部の職員がテロ組織のメンバーだと主張するイスラエルからは証拠が提供されていないとしています。

ガザ地区の人道支援を担っているUNRWAをめぐっては、一部の職員が去年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃に関与したとされる疑惑が出たこと受けて一部の国が資金の拠出を停止し、ことし2月から独立した検証グループが、中立性を確保して活動しているか調査を行っていました。

検証グループを率いるフランスのコロナ前外相は22日、国連本部で記者会見し、最終報告書を発表しました。

報告書では「UNRWAは中立性の原則に重点を置いて相当な数の仕組みや手続きを確立していて、ほかの国連機関やNGOよりも中立性に対するアプローチが進んでいる」と評価しました。

ただ、課題として、内部規則や研修の強化などさらなる取り組みが必要だと指摘しました。

イスラエルから証拠提供されず

一方で報告書は「イスラエルはUNRWAのかなりの数の職員がテロ組織のメンバーだと主張したが、これまでにイスラエルからはそれを裏づける証拠が提供されていない」としています。

記者会見でコロナ氏は「UNRWAはこの危機的な時期に、ガザでの人道支援で極めて重要な役割を担っている」とした上で「UNRWAがその使命を果たせるよう、国際社会の協力を求める」と訴えました。