辻井伸行氏 ドイツ・グラモフォン専属契約 日本人ピアニスト初

国際的に活躍するピアニストの辻井伸行さんが、100年以上の歴史がある音楽レーベル「ドイツ・グラモフォン」と日本人ピアニストとして初めて専属で契約し、記者会見で、「このレーベルでのデビューアルバムは歴史に残るようなCDにしたい」と抱負を語りました。

生まれたときから目が不自由なピアニストの辻井伸行さんは、二十歳のとき国際的なピアノコンクールで優勝し、その後も国内外で広く活動しています。

22日は都内で記者会見を行い、1898年に設立され、クラシック専門の音楽レーベルとしては世界で最も古い「ドイツ・グラモフォン」と専属契約を結んだことを発表しました。

この中で辻井さんは、「子どものころからグラモフォンのCDで世界的なアーティストの演奏を聞いて育ってきた」と述べたうえで、「世界で活躍するという夢のスタートラインに立てました。グラモフォンでのデビューアルバムは歴史に残るようなCDにしたい」と抱負を語りました。

会見のあと、辻井さんはリストの「ラ・カンパネラ」など2曲を披露し、軽やかなタッチから力強いメロディーまで豊かな音色を会場に響かせていました。

「ドイツ・グラモフォン」は、指揮者のカラヤンや小澤征爾さんなど世界的な巨匠が契約した名門として知られ、長く、クラシック音楽界をリードし続けています。

辻井さんは日本人のピアニストとしては初めての専属契約だということで、ことし7月にはドイツでベートーベンの曲を収録し、来年アルバムとして世界に発表するということです。

現在35歳の辻井さんは、「30代は勝負の時期だと思っています。世界に発信することで、クラシックに興味がなかった人も、コンサートに足を運んでもらえるようなピアニストに成長したい」と話していました。