公取委 グーグルに初の行政処分 LINEヤフーの広告を不当に制限

アメリカの「グーグル」が、「検索連動型」と呼ばれるインターネット広告の配信事業で、競合する「LINEヤフー」の事業を不当に制限していたとして、公正取引委員会は、独占禁止法に基づく行政処分を出しました。

グーグルから提出された再発防止の計画の確実な履行を課すもので、公正取引委員会によるグーグルへの行政処分は初めてです。

「検索連動型」のインターネット広告は、検索エンジンに打ち込まれたキーワードに関連した広告が、サイトなどに自動的に表示されるサービスで、アメリカの「グーグル」が日本国内でも圧倒的なシェアを持ち、「LINEヤフー」は、2010年以降、「グーグル」から技術の提供を受ける形で、サービスを展開しています。

公正取引委員会によりますと、技術面や国内シェアで優越的な立場にある「グーグル」は、「LINEヤフー」に対し、少なくともおととしまでの7年あまりにわたって広告配信事業の一部を取りやめるよう一方的に求めていた時期があったということです。

「グーグル」が、事実関係を認めた上で、今後は不当な制限をやめ、従業員にもそのことを周知するなど、再発防止の計画を提出したのを受けて、公正取引委員会は、独占禁止法に基づき、計画の確実な履行を課す行政処分を出しました。

「グーグル」に対し、計画の履行状況を、3年間、毎年報告することも求めています。

公正取引委員会が「グーグル」に行政処分を出すのは初めてで、計画の履行を条件に、より重い行政処分である排除措置命令などは免除されました。

「GAFA」や「GAFAM」などと呼ばれるアメリカの巨大IT企業をめぐっては、アメリカやヨーロッパの当局などが、「市場の独占で自由な競争を妨げている」などとして規制強化に乗り出しています。

日本の公正取引委員会も日本法人への立ち入り検査や市場の実態調査を行うなど、監視を強めていて、「違反行為があれば、厳正かつ迅速に対処していきたい」としています。