能登半島地震 サッカー元代表がチャリティー試合

能登半島地震の被災地の復旧や復興を応援しようと、Jリーグで活躍したOBたちが参加するサッカーのチャリティーマッチが金沢市で行われました。

また、地域の祭りや、漁業や観光など生業の再生に向けた動きも各地で見られました。

チャリティーマッチには、Jリーグや日本代表で活躍した佐藤寿人さんや中澤佑二さん、岡野雅行さんらが参加しました。

地元チームのツエーゲン金沢のOBでつくる「がんばろう石川」と前後半あわせて40分で試合を行い、華麗なドリブルや巧みなパスワークを披露していました。

会場には招待された被災地の子どもたちを含めて5000人余りが集まり、ひとつひとつのプレーに大きな歓声をあげていました。

20日は、チャリティーマッチの前に募金活動も行われ、OBたちはファンとことばを交わしながら募金箱にお金を入れてもらっていました。

チャリティーマッチのあと岡野雅行さんは「少しでも自分にできることがあればと参加しました。まだまだ大変な思いをしている人がたくさんいるので、こうしたイベントを通じてつながっていくことが大事と思っています」と話していました。

能登町 「曳山祭」で子どもたちの小さな山車

能登町の宇出津地区では毎年この時期に伝統の「曳山祭」が行われ、高さ6メートル、幅8メートルほどの大きな山車「曳山」が登場することで知られています。

しかし、ことしは地震の影響で道路に亀裂が入ったことなどから「曳山」の巡行を断念し、展示のみを行うことになりました。

住民たちは神社から運び出した風神・雷神をかたどった人形などを「曳山」に乗せて色鮮やかな幕を飾りつけ、広場でお披露目していました。

ことしの祭りでは、高さ2メートルほどの小さな山車「ちょんこ山」が用意され、子どもたちによる練り歩きが行われました。

紫のはっぴを着た子どもたちは、木遣り歌とかけ声に合わせて力強く「ちょんこ山」を引き、堂々とした姿でまちを巡っていました。

沿道には2次避難先から駆けつけた人も含めて多くの住民が集まり、久しぶりのまつりの雰囲気を楽しんでいました。

木遣り歌を披露した中学1年の女子生徒は「地震のあとの初めての祭りでとても楽しかったです。木遣り歌もうまく歌えました」と話していました。

実行委員長の伊勢実さんは「例年とは違う形ですが、子どもたちに楽しんでもらいたいと開催を決めました。いい表情で参加してくれてエネルギーをもらいました」と話していました。

七尾市 漁船の無料点検 6月のいか釣りに向け

能登半島地震で津波に巻き込まれるなどした漁船の無料点検が、4月から石川県内の造船所で行われていて、20日は七尾市の造船所で中型いか釣り漁船の点検が行われました。

造船所では、専門の技術者が陸に揚げられた漁船の船体を専用のハンマーでたたき音で異常が無いか点検したり、かじやスクリューが曲がっていないかなどを確認したりしていました。

20日点検を受けた漁船は能登町の港に係留されていた際に津波を受けたものの、点検の結果、大きな損傷は見当たらなかったということです。

無料点検を受けた「第23輪島丸」の船長の佐藤幸二さんは「これまで不安な気持ちでしたが、点検の結果、問題がなかったので安心しました。これで例年どおり6月から漁に出られるのでうれしいです」と話していました。

この取り組みを行っている「日本中小型造船工業会」では5月以降、海底が隆起して漁に出られなくなっている輪島港の小型漁船などを対象に無料の点検を行う予定だということです。

珠洲市 人気の展望台を掃除 観光客を迎える準備

石川県珠洲市三崎町寺家にある展望台は珠洲の岬から見える日本海の開けた眺めを楽しめるスポットとして人気です。

能登半島地震で展望台は被害を受けませんでしたが、ことし1月以降、営業を休止していました。

経営者の刀禰秀一さんによりますと、最近になって工事関係者やボランティアが息抜きのために景色を眺めようと展望台の近くに立ち寄る様子が見られるようになったということです。

このため珠洲の見どころの絶景を少しでも楽しんでもらおうと、今月27日からの大型連休にあわせておよそ4か月ぶりに展望台の営業を再開することにしました。

20日は元従業員など6人が、たまっていた枯れ葉や砂利などを掃いたり土産物店に新たな菓子類を並べたりしていました。

参加した50代の女性は「再開を聞いてうれしいです。また多くのお客さんに会えることを楽しみにしています」と話していました。

刀禰さんは「能登に来ると地震の被害がすごかったという印象が強くなると思いますが、きれいな景色があることも知ってもらいたいと思います。元気でやっているところもあることを知ってほしいです」と話していました。