愛媛・高知 余震相次ぐ 20日夜からは土砂災害に注意

17日に震度6弱の揺れを観測した愛媛県と高知県ではその後も余震が相次いでいて、気象庁は揺れの強かった地域では今後1週間ほどは最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。
一方、20日夜から21日にかけて大気が不安定な状態が続く見込みで気象台は揺れの大きかった地域は地盤が緩んでいる可能性があるとして土砂災害に十分注意するよう呼びかけています。

17日の夜に震度6弱の揺れを観測した愛媛県と高知県ではその後も豊後水道を震源とする余震が相次いでいて、気象庁は揺れの強かった地域では今後1週間ほどは最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。

19日の愛媛県と高知県は高気圧に覆われてよく晴れていて、日中の最高気温は被災した▽高知県宿毛市で25度▽宇和島市で23度と予想されています。

一方、低気圧や前線の影響で20日夜からあさってにかけて大気が不安定な状態が続き愛媛県と高知県では雨が降る見込みで気象台は揺れの大きかった地域は地盤が緩んでいる可能性があるとして土砂災害に十分注意するよう呼びかけています。

地震の被害は

今回の地震では震度6弱の揺れを観測した高知県宿毛市で70代の女性2人が骨を折る大けがをするなど、愛媛県と高知県、大分県であわせて13人がけがをしました。

愛媛県内の被害

【人的被害】
今回の地震では、愛媛県内の5つの市と町であわせて8人がけがをしています。

それぞれの自治体によりますと、
▽愛南町で女性が避難の際に転倒し、19日、病院を受診したところ、腰の骨が折れていたことが分かったということです。

また、▽東温市では60代の女性が自宅の階段で転倒して病院に搬送され、左手の小指を骨折した疑いがあるということです。

▽宇和島市では90代の男性が自宅の外に出ようとした際に左手に軽いけがをしたほか、70代の女性が自宅の中で転倒し、痛みを訴えて救急搬送されたということです。

▽松山市では、20代、70代、80代のいずれも女性3人が転倒などで軽いけがをして、病院に搬送されたということです。

▽大洲市では70代の女性が胸のどうきを訴え、救急搬送されたということです。

【建物被害】
NHKの取材では、▽震度6弱の揺れを観測した愛南町では、町役場の西海支所で外壁にひびが入るなどの被害があり、現在、町が調査を進めています。

▽震度5強の揺れを観測した宇和島市では、市が運営する総合体育館のメインアリーナの天井が一部崩落し、当面、利用を休止しているほか、国の史跡に指定されている宇和島城の天守の壁に亀裂が入ったり、史跡内で地割れが起きたりしました。

また、▽震度5弱を観測した西予市では地震の影響でごみの処理施設にある焼却用の煙突の外壁がはがれ落ちました。

【道路通行規制】
国道では、
▽大洲市肱川町の国道197号線が落石の影響で通行止めとなっているほか、
▽宇和島市の国道320号線の歩道が、近くの建物が倒壊するおそれがあるため通行止めとなっています。

国道197号線

【断水】
宇和島市では水道管などの漏水の連絡が複数寄せられていましたが、19日、復旧が完了したということです。

【その他被害】
このほか、宇和島市の番城小学校は校舎の一部が壊れたため、19日も臨時休校となりました。

西予市では市内の小学校と中学校、あわせて9校に給食を提供している学校給食センターが、漏水の影響できょうと今月22日の2日、給食の提供を見合わせることを決めています。

高知県内の被害

【人的被害】
高知県によりますと、19日の午後5時の時点で、震度6弱の揺れを観測した宿毛市で3人がけがをしています。
このうち
▽70代の女性が地震が起きた時に転倒し顔の骨を折るなどの大けが
▽別の70代の女性は家の外に避難しようとしたところ足をひねって骨を折る大けが
▽40代の男性が、過呼吸を訴えて、市内の病院に搬送されたということです。

【建物被害】
宿毛市では、住宅への被害の情報が複数寄せられていて、屋根から瓦が落ちたり、窓ガラスが割れたりしたほか、門柱にひびが入るなどしているということです。

また、土佐清水市では、民家の屋根の一部が20センチほど剥がれ落ちたということです。

【ライフライン】
宿毛市の一部地域であった断水はすでに解消されたということです。水道水の濁りについても収まっていますが、濁りが残っている可能性があるということで、宿毛市は、水道管に残った水を出し切ってから使うよう呼びかけています