半導体素材 世界大手JSRのTOBが成立 非上場化し競争力強化へ

半導体素材の世界大手JSRは、17日、官民ファンドの産業革新投資機構によるTOB=株式の公開買い付けが成立したと発表しました。会社を非上場化し、国際的な競争力の強化を目指すとしています。

JSRは、フォトレジストと呼ばれる半導体の製造に使う材料の世界大手で、去年6月、官民ファンドの産業革新投資機構がおよそ9000億円を投じてTOB=株式の公開買い付けを行うことを決めました。

TOBは、16日まで行われ、全体の84%余りが応募して成立しました。

残りの株式の買い取り手続きを進めたうえで、遅くともことし夏までに会社を非上場化する方針です。

非上場化したあとは、短期的な業績に左右されずに、中長期的な戦略投資などを進めるとしています。

また、この分野を手がける日本のメーカーが多い中で、業界再編にもつなげたいとしています。

政府は経済安全保障の観点から半導体産業の強化を進めていますが、JSRがいわば「国策会社」となることで業界再編を通じた日本の競争力の強化につなげられるかが焦点となります。