改正NTT法 参議院本会議で可決 成立で義務や規制の一部を緩和

NTTの研究成果の開示義務を廃止するなど、義務や規制の一部を緩和する改正NTT法が17日の参議院本会議で可決・成立しました。

NTT法は、
▽固定電話などの全国一律のサービスの提供義務や
▽株式の3分の1以上は政府が保有すること
などを定めた法律で、改正NTT法では、国際競争力を高めることなどを目的に義務や規制の一部を緩和します。

▽NTTの研究成果の開示義務が廃止されるほか
▽社名の「日本電信電話」の変更が可能となります。

また、
▽外国人役員の規制が緩和され、全体の3分の1未満であれば、代表取締役を除いて就任が認められることになります。

改正NTT法は、17日の参議院本会議で採決が行われ、賛成多数で可決・成立しました。

NTT法をめぐっては、今回の改正とは別に、固定電話サービスや政府の株式の保有のあり方などについて、総務省の審議会で議論されていて、審議会は、ことし夏までに答申を出すことにしています。

一方、成立した改正NTT法では付則の中で、法律のあり方について「廃止を含め検討」としていて、今後、議論がどのように進むかが焦点となっています。

NTT “積極的に議論に参加・協力していく”

改正NTT法が参議院本会議で可決・成立したことを受けて、NTTはコメントを発表しました。

この中では、NTTの研究成果の開示義務の廃止について「グローバルなパートナーの皆様と機動的に連携しながら引き続き研究開発に積極的に取り組んでまいります」としています。

また、外国人役員の規制の緩和については「機動的な経営に資すると考えますが、わが国の経済安全保障の観点から当社だけでなく主要通信事業者全体を対象として議論していくことが必要と考えます」としています。

そのうえで「現在、技術や市場環境の変化にあわなくなっている規制について見直しに向けた議論が行われていますが、当社としても引き続き、積極的に議論に参加・協力してまいります」としています。

通信大手3社 “引き続きNTT法廃止には反対”

一方、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの通信大手3社も改正NTT法の可決・成立を受けてコメントを発表しました。

付則のなかで法律のあり方について「廃止を含め検討」としていることについて、「NTT法廃止を含めた検討や時限を設ける規定は拙速な議論を招きかねない」としています。

そのうえで「引き続きNTT法の廃止には反対で、より慎重な政策議論が行われることを強く要望する」としています。