「三鷹事件」 竹内景助元死刑囚の再審 最高裁も認めない決定

75年前、旧国鉄の東京の三鷹駅構内で無人の電車が暴走して6人が死亡し、「国鉄三大ミステリー」の1つと呼ばれる「三鷹事件」で、死刑が確定した元死刑囚の再審=裁判のやり直しの請求について、最高裁判所は、高裁と同じくやり直しを認めない決定をしました。

1949年、東京の三鷹駅構内で無人の電車が暴走して脱線し、駅にいた6人が死亡した「三鷹事件」では、旧国鉄の組合員など10人が電車転覆致死の罪で起訴されましたが、裁判では本人の自白などをもとに、運転士だった竹内景助 元死刑囚の単独の犯行と認定されて死刑が確定し、ほかの9人は無罪となりました。

竹内元死刑囚はその後、無実を訴えて再審を求めましたが、1967年に病死したため手続きが終了しました。

それから40年以上たった2011年、長男が改めて再審を求め、「自白を否定する新たな証拠が見つかった。父は犯人ではない」などと主張しましたが、東京高等裁判所は「新たな証拠を検討しても、確定判決に合理的な疑いを抱かせ、無罪を言い渡すことが明らかだとは言えない」として再審を認めませんでした。

異議の申し立ても認められず、弁護側が特別抗告していました。

これについて最高裁判所第2小法廷の三浦守裁判長は17日までに特別抗告を退ける決定をし、再審を認めませんでした。

「三鷹事件」は終戦後、GHQ・連合国軍総司令部の統治下で国鉄がおよそ9万5000人の人員整理を進め、労使間の緊張が高まるなか発生しました。

当時の国鉄総裁がれき死体となって見つかった「下山事件」などと並んで「国鉄三大ミステリー」の1つと呼ばれています。

弁護士「間違った結論」

請求した長男の主任弁護人を務める野嶋真人弁護士は、最高裁判所の決定について「長い間審議されたのに、結局何の理由も示さず退けられたことは納得できず、非常に不当だ。犯人でないことを示す重要な追加の新証拠を提出したが、それについて全く評価しておらず、間違った結論だ」としています。