政治資金規正法改正へ 自民・公明 きょうから実務者協議を開始

政治資金規正法の改正に向けて自民・公明両党は16日から実務者による協議を始めることにしています。立憲民主党など野党側は両党に対し、早急に案をまとめるとともに国会での議論に入るよう求めていく方針です。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、自民・公明両党は16日から政治資金規正法の改正に向けて実務者による協議を始めることにしています。

岸田総理大臣と公明党の山口代表は15日会談し、与党協議の内容をもとに野党とも合意形成を図り、今の国会で法改正を実現できるよう取り組む方針で一致しました。

公明党は、これまでに収支報告書に虚偽の記載があった場合、会計責任者だけでなく国会議員も責任を負ういわゆる「連座制」の導入を柱とした案をまとめている一方、自民党は党の案を固めずに協議に臨むことにしています。

両党としては、議員の責任の強化や政治資金の透明性の向上などで一致点を探り、実効性のある案を打ち出したい考えです。

これに対し立憲民主党など野党各党は、企業・団体献金の禁止や「連座制」の導入などを盛り込んだ案をすでにまとめていることから、自民・公明両党に、早急に案をまとめるとともに国会での議論に入るよう求めていく方針です。

岸田首相 “党総裁としての責任を明らかにしたい”

岸田総理大臣は、子ども・子育て支援法などの改正案を審議する衆議院の特別委員会で「政治の信頼回復のため、党総裁が先頭に立って取り組みを続けていかなければならない。実態解明や政治責任も問われてきたが、何よりも信頼回復のためには国会での法改正をはじめとする再発防止に取り組まなければならず、しっかりと先頭を切って進めることで、党総裁としての責任を明らかにしたい」と述べました。

自民 森山総務会長 “与党として意見集約図る”

自民党の森山総務会長は記者会見で「岸田総理大臣が議員本人の罰則強化や外部監査の充実、デジタル化による透明性の向上などを政治資金規正法改正のポイントにしなければならないと述べているので、党としても、そこを論点とし、まずは与党として意見集約を図っていくということに尽きる」と述べました。

立民 岡田幹事長 “早急に自民党案まとめてもらいたい”

立憲民主党の岡田幹事長は、記者会見で「自民・公明両党がそれぞれ考え方をもとに協議すべきで、自民党案ができていないのであれば、どうやって協議するのか。岸田総理大臣は国会の審議でも政策活動費などについて『議論しよう』とは言うが、その前にどういう考え方かまとめることが先ではないか。早急に自民党案をまとめてもらいたい」と述べました。

公明 山口代表 “最重視は政治家が責任負う制度の強化”

公明党の山口代表は、記者会見で「会計責任者が法的責任を問われながら、政治家が責任を問われない現状はおかしいというのが、国民の率直な声だ。公明党として最も重視することは、いわゆる『連座制』も含めて政治家が責任を負う制度の強化であり、自民党にも強く求めていきたい。経過も含めて早めに国民に示していくことが重要だ」と述べました。

共産 田村委員長 “自公に攻勢かけていく”

共産党の田村委員長は記者会見で「『裏金事件』の事実解明をせず、問題に背を向けているので自民党が改革案をまとめられないのは当たり前のことだ。自民党は統治能力も政権担当能力も失っている。特別委員会では、事実解明と企業・団体献金の全面的な禁止が本丸になり、自民・公明両党に攻勢をかけていく」と述べました。

国民 玉木代表 “公明は妥協せず野党とも協力を”

国民民主党の玉木代表は記者会見で「自民党は補欠選挙が始まる前に改革案を示すべきだった。非常に不誠実で、やる気のなさを感じざるをえない。公明党は、与党で議論がまとまらなければ妥協せず、与野党でのオープンの場に議論の場を移して、野党とも協力して改革案をまとめる方向にかじを切ってもらいたい。中途半端に同意するなら公明党にも国民の批判の矢が向いていく」と述べました。