柏崎刈羽原発7号機 検査の一環で核燃料入れる作業開始 東電

再稼働をめぐる議論が続く、新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所について、東京電力は再稼働に必要な検査の一環として、15日午後5時すぎから7号機の原子炉に核燃料を入れる作業を始めたと発表しました。

柏崎刈羽原発の6号機と7号機は、7年前の2017年に再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に合格しましたが、その後、テロ対策上の問題が相次いだことから規制委員会による事実上の運転禁止命令が出され、去年、2023年12月に解除されました。

これを受けて東京電力は、3月に再稼働に必要な検査の一環として7号機の原子炉に核燃料を入れることを規制委員会に申請し、15日の午前中に承認されたことから、午後5時すぎから作業を始めたと発表しました。

東京電力によりますと、7号機の原子炉建屋にある燃料プールに保管されている872体の核燃料を1体ずつ、つり上げて原子炉に入れ、およそ2週間で作業を終える予定だということです。

そして、原子炉に核燃料が入った状態で、非常時に原子炉を緊急停止させる設備や、冷却設備などの性能を検査するということです。

一方、再稼働の時期については、今後の工程に見通せない部分があるなどとして、今回の申請では「未定」としています。

柏崎刈羽原発の再稼働をめぐっては、地元の同意が焦点となっていますが、新潟県の花角知事は能登半島地震のあと、事故の際の避難などについて不安の声が高まっているとして、国の対応を注視する姿勢を示しています。

新潟 柏崎市の人たちは

柏崎刈羽原子力発電所について、東京電力が15日午後から7号機の原子炉に核燃料を入れる作業を始めると発表したことについて、原発が立地する柏崎市で聞きました。

柏崎市に住む80代の女性は「地震などもあったので、不安な気持ちはどうしてもあります。地元では原発で働いている人も多いので、再稼働してほしい思いと、不安な思いが半分半分です」と話していました。

80代の男性は「再稼働に向けた動きが進んでいますが、これまでも東京電力はいろいろな不祥事を起こしているので、不安を感じます。検査では情報を包み隠さずに示し、進めてもらいたいです」と話していました。

20代の女性は「小さい子どもがいるので地震の際の避難などは不安ですが、経済効果などのメリットもあると言われているので、再稼働することで町が活性化すればうれしいという気持ちもあります」と話していました。

新潟市の人たちは

柏崎刈羽原子力発電所について、東京電力が15日午後から7号機の原子炉に核燃料を入れる作業を始めると発表したことについて、新潟市で聞きました。

70代の男性は「電力を確保することが必要だということはわかりますが、能登半島地震もあり、不安も感じます。国や東京電力は少し急ぎすぎているような気がします」と話していました。

70代の女性は「東日本大震災を思い出すと、やはり怖いです。東京電力はいろいろと問題があったので、正常に近い状態に戻したあとで進めていくべきだと感じます。一方で、原発では地元の人が生活の糧を得ている面もあると思うので、賛成とも反対とも一概に言えない思いです」と話していました。

30代の女性は「国や東京電力には、地元の人たちが不安にならないような対応をしてほしいです」と話していました。