小林製薬「紅麹」問題 床にこぼした材料の一部をいったん出荷

小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓病などを発症した問題で、去年、大阪市の工場で、誤って床にこぼした材料の粉末の一部を紅麹原料としていったん出荷していたことが分かりました。
この紅麹原料はサプリメントには使われておらず、会社は今回の問題と関係はないとしていますが、大阪市は工場の衛生管理に問題がなかったか調査を進めています。

小林製薬によりますと、去年4月、大阪市の工場で紅麹原料の材料を混ぜる機械のふたを従業員が閉め忘れ、材料の粉末33キロ分を誤って床にこぼすトラブルがあったということです。

このうち床などに接触しなかった部分をすくい取り、品質に問題がないことを検査で確認したうえでほかの材料と混ぜ、紅麹原料としていったん出荷したものの、そのあとほとんどを回収したということです。

トラブルがあった紅麹原料は食品の着色などに使うもので、現在、問題となっているサプリメントには使用されておらず、関係はないということです。

これについて、大阪市の横山市長は12日の会見で「今回の問題に直接的には関わらないと思うが、衛生上の意識として正しかったかというと疑問だ」と述べ、工場の衛生管理の体制に問題がなかったか調査を進める考えを示しました。

小林製薬は「当社の衛生管理の考え方に照らし合わせても不適切であり、今後、ご迷惑やご心配をかけることがないよう全社を挙げて取り組んでまいります」とコメントしています。