政治資金問題 参院も政治改革を議論する特別委員会を設置

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、衆議院に続いて参議院も政治改革を議論する特別委員会を設置しました。

今回の問題を受けて参議院は、12日の本会議で「政治改革に関する特別委員会」を設置することを全会一致で決めました。

委員の人数は、前身となる特別委員会と同じ35人で、委員長は引き続き自民党の豊田俊郎氏が務めます。

政治改革を議論する特別委員会は、衆議院も11日の本会議で設置を決めていて、後半国会の最大の焦点となる政治資金規正法の改正に向けた議論が行われる見通しです。

豊田委員長「疑念払拭のため法改正が必要」

豊田俊郎委員長は記者団に対し、「国民が疑念を抱く事態を払拭するために政治資金規正法の改正が必要であり、与野党で審議を重ねていくということに尽きる。どのように、改正の趣旨を国民に理解してもらうかが大事だ」と述べました。

立民 大型連休前に委員会を

国会に政治改革を議論する特別委員会が設置されたことを受けて、立憲民主党は、大型連休の前に委員会を開き、政治資金規正法の改正に向けて各党が考え方を述べる場を設けるよう求め、自民党は持ち帰って検討する考えを示しました。

自民党の浜田国会対策委員長と立憲民主党の安住国会対策委員長が12日午前、会談し、今後の審議日程などをめぐって意見を交わしました。

この中で安住氏は、衆参両院にそれぞれ「政治改革に関する特別委員会」が設置されたことを受けて、大型連休の前に衆議院で委員会を開き、各党が政治資金規正法の改正に向けた考え方を述べる場を設けるよう求めました。

これに対し浜田氏は、委員会での議論の進め方を含め、持ち帰って検討する考えを示しました。

一方、両氏は、岸田総理大臣の今回のアメリカ訪問について、来週18日に衆議院で、翌19日に参議院でそれぞれ本会議を開き、報告と質疑を行うことで一致しました。また、今月22日に衆議院で、24日に参議院で、岸田総理大臣と関係閣僚に出席を求め、政治とカネの問題などをテーマに予算委員会で集中審議を行うことでも合意しました。

自民 御法川国対委員長代理「公明との調整含め時間がかかる」

自民党の御法川国会対策委員長代理は記者団に対し「委員会での議論の進め方は各党でいろいろな考え方があるが、われわれは政治資金規正法の改正案について審議をしっかりやるべきだというのが基本的な考え方だ。一生懸命作業を進めているが、公明党との調整も含めもう少し時間がかかると思うので、大型連休前に法案の審議を行うのは難しい」と述べました。

立民 安住国対委員長「自民は法案の作成を急いでほしい」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「自民党に法案の作成を急いでほしいと申し上げた。パーティー券の透明性の確保や、連座制をどう適用するか、政策活動費の扱いなど論点はかなり多い。急いでもらわないと議論が深まらなくなるのではないかと心配をしている」と述べました。

また、岸田総理大臣がアメリカ議会での演説の冒頭「日本の国会でこれほどすてきな拍手を受けることはまずない」と述べたことについて、「政治改革でリーダーシップをとってくれれば喜んでスタンディングオベーションしたい。それをやらずにパッとしないから自民党も含めて拍手がないのではないか。政治とカネの問題に決着をつけてくれれば、私は1人でもスタンディングオベーションする」と述べました。

立民 泉代表「真相解明を特別委にも持ち込まざるを得ない」

立憲民主党の泉代表は記者会見で「自民党から『特別委員会は追及になじまない』という発言があるようだが、真相解明と国民が納得する処分が行われていれば、いまさら追及する必要はない。真相解明を特別委員会にも持ち込まざるを得ない」と述べました。

その上で「政治改革の議論は当然ながら十分にやっていく。自民党以外の各党でできるだけ共通点を増やして、自民党に改革案をぶつけていきたい」と述べました。

公明 石井幹事長「『連座制』の強化は最も重要 必ず実現を」

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けた法改正について、公明党の石井幹事長は、収支報告書に虚偽記載があっても議員が責任を負わないことに国民から不審を持たれているとして、いわゆる「連座制」の導入を実現する必要があるという考えを強調しました。

石井幹事長は記者会見で、政治資金規正法の改正に向けた自民党との協議が来週にも始まるという見通しを示したうえで「自民党にはなるべく速やかに考え方をまとめ、協議の中で示してもらいたい」と注文を付けました。

そのうえで「会計責任者は罰せられるのに国会議員には累が及ばないことに対して国民は非常に不信に思っている。悪質な虚偽記載などが行われた場合は、監督責任が不十分な国会議員に責任を負わせるいわゆる『連座制』の強化は最も重要で必ず実現したい」と強調しました。

共産 山添政策委員長「森元首相含めた参考人招致や証人喚問を」

共産党の山添政策委員長は記者会見で「裏金事件の真相を解明し、事実に見合った対策を講じていくことが求められる。関係議員や森元総理大臣も含めた参考人招致や証人喚問などを要求し、実態解明に資する審議を行っていきたい。岸田総理大臣にも出席してもらう必要がある」と述べました。

国民 榛葉幹事長「真相究明は当然だ」

国民民主党の榛葉幹事長は記者会見で「真実が明らかになるのが嫌なので、真相究明の議論はやらないでくれという自民党は全く反省がない。真相究明なくして次のステージには行けず、究明は当然だ。その上で、いわゆる『連座制』を含めた新たな法整備や、政治資金を透明化するにはどうすればいいのか、議論することを望みたい」と述べました。

河野デジタル相「不信に対して応えていかなければいけない」

河野デジタル大臣は閣議のあとの記者会見で「政治資金にまつわる、さまざまな不信に対して、しっかり応えていかなければいけない。日本では政治資金が非課税のため、収入や支出を示せるようにすることが課題だ。国会でしっかり議論してほしい」と述べました。