イラン大統領 ハマス最高幹部息子ら殺害でイスラエルを非難

イランのライシ大統領は、イスラム組織ハマスの最高幹部の息子らがイスラエル軍に殺害されたことについて、この最高幹部に哀悼の意を伝えるとともに、イスラエルを強く非難しました。イランの大使館がイスラエルによるとみられる攻撃を受けたことに対し、イランは報復を明言しており、中東地域の緊張が続いています。

イスラエル軍は10日、ガザ地区で、ハマスのハニーヤ最高幹部の息子3人を空爆で殺害したことを明らかにしました。

そして、この3人について、イスラエル軍はハマスの軍事部門の構成員だったと主張しました。

今回の攻撃を受けて、ハマスを支援するイランの大統領府は10日、ライシ大統領が、ハニーヤ最高幹部にメッセージを送り、哀悼の意を示すとともに、「この犯罪は、イスラエルの残虐性を改めて明らかにし、人道上のいかなる規範にも従わないことを示した」として強く非難したと発表しました。

ハマス側によりますと、これに対しハニーヤ最高幹部は、息子たちを殺害したことは、自分たちの意思を強めるだけだとして、イスラエルに対する戦いを徹底する姿勢を示したとしています。

中東では、シリアにあるイラン大使館がイスラエルによるとみられる攻撃を受けたことをめぐり、イランが報復を明言しており、中東地域の緊張が続いています。

一方、イスラエルのガラント国防相は10日、外国メディア向けに会見を開き、人道状況の悪化が続くガザ地区に対し、一日500台の支援物資を積んだトラックを運び込めるよう、隣国のヨルダンなどと協力していく考えを示しました。

イスラエル側としては、支援の動きを強調することで、国際的に高まる懸念を拭いたい思惑もあるとみられます。