ロシア南部 雪どけ水でダム決壊 洪水発生 10万人以上が避難

ロシア南部では気温の上昇による大量の雪どけ水でダムが決壊して大規模な洪水が発生し、ロシアと隣接するカザフスタンにまたがる地域で、合わせて10万人以上の住民が避難する事態となっています。

大規模な洪水が発生したのはロシア南部のオレンブルク州です。

ウラル山脈南部から流れるウラル川で4月5日、気温の上昇による雪どけ水によってダムが決壊しました。

ロシア国営のタス通信によりますと浸水した住宅はおよそ1万3000戸にのぼり、8000人近くが避難しているということです。

被害が大きかった町、オルスクからの映像では町中の通りが川のようになり、多くの住宅が水につかっているほか、各地を撮影した衛星画像では市街地の広範囲にわたって茶色く濁った水が広がっているのがわかります。

また、ロイター通信は、国境を接する中央アジアのカザフスタンでは10日までに10万人近くが避難していて、この地域では少なくとも過去70年間で最悪の水害だと伝えています。

ウラル川の水位は依然として高いということでロシア大統領府のペスコフ報道官も9日「プーチン大統領も最新の状況を把握し注視している」と述べたうえで厳しい事態が続いているとの見方を示しています。