日銀 植田総裁 国債の買い入れ “市場動向見極め 縮小を検討”

日銀の植田総裁は、大規模な金融緩和策のもとで続けてきた国債の買い入れについて、「マーケットの観察を経て縮小の局面に移行する」と述べ、市場の動向を見極めながら買い入れ規模の縮小を検討していく考えを示しました。

日銀は3月、マイナス金利政策を解除しましたが、植田総裁は10日の衆議院の財務金融委員会で「現在、普通の金融政策に戻りつつある中で、金融政策運営の中心は短期の政策金利の操作になっていく。長期金利に関しては基本的に金融市場で形成されることになる」と述べました。

ただ、日銀は市場への急激な影響に配慮し、これまでと同じ程度の長期国債の買い入れを継続することにしています。

これについて、植田総裁は「政策の変更をマーケットがどのように消化するかを観察する時期を経て、しばらく先に長期国債の買い入れを縮小するという局面に移行できたらと考えている」と述べ、市場の動向を見極めながら買い入れ規模の縮小を検討していく考えを示しました。

また、植田総裁はこれまでの大規模な金融緩和策での国債の大量買い入れについて「国債市場の機能に負の影響を与えてきた点は事実であると認識している」と述べました。

金融市場では、日銀の追加の利上げのタイミングに加えて、大量に買い入れてきた国債などの資産の扱いをどうするかが、次の焦点になっています。