静岡 川勝知事 辞職時期早めた理由“県政の空白短くするため”

新人職員への訓示の中で、職業差別とも捉えられかねない発言をしたことなどから退職届を出した静岡県の川勝知事は記者会見で、当初、6月議会冒頭としていた辞職の時期を早めた理由について「県政の空白を短くするためだ」と説明しました。

川勝知事は、4月1日、新人職員への訓示の中で、職業差別とも捉えられかねない発言をし波紋が広がったことなどから、10日午前、県議会議長に退職届を提出し、午後、定例の記者会見に臨みました。

この中で、川勝知事は、当初、6月議会の冒頭としていた辞職の時期を早めた理由について「いつでも辞任する用意はありなるべく早く辞めたかった。県政の空白を短くするため、きょう退職届を提出した」と説明しました。

また、9日までに県庁に3000件を超える問い合わせがあるなど、批判がやまないことについて「私だけが原因だ。私が去るのが県民のためだ。私の言動のせいで、静岡県が厳しいことを言われるのは誠につらい。それを早く止めたかった」と述べました。

一方、着工を認めてこなかったリニア中央新幹線をめぐり、記者から「リニア推進派なのか」と質問されたのに対し「推進派に変わりはないし、推進派から外れたこともない」と述べました。

そのうえで「一生懸命、われわれは南アルプスの自然の保全と水資源の保全の両立を図ろうとしてきた。推進の足を引っ張ったことは一度もない。段取りが見えたのでバトンタッチできると思った」と述べました。

愛知 大村知事「推進論者と言ってもやっていたこと違う」批判

川勝知事が「推進の足を引っ張ったことは一度もない」と述べたことについて、愛知県の大村知事は10日夜、記者団に対し「早期整備・開業に向けて力を尽くしてはいないと見ざるをえない」と指摘しました。

その上で「専門家が、水問題などの解決策に関する報告書を出しても、すべて、いちゃもんをつけていた。それは見ていて違うんじゃないかと、皆が思ったのではないか。ためにする議論で、みずからを『リニア推進論者』だと言っても、実際にやっていたことは違う」と批判しました。