4歳児死亡 78歳ドライバーに執行猶予付き有罪判決 釧路地裁

去年10月、北海道釧路市の病院の駐車場で親子2人を乗用車ではね、このうち4歳の女の子を死亡させたなどとして過失運転致死傷の罪に問われた78歳のドライバーについて、釧路地方裁判所は執行猶予の付いた禁錮1年8か月の有罪判決を言い渡しました。

北海道根室市の無職、熊谷勉 被告(78)は、去年10月、釧路市春湖台にあ市立総合病院の駐車場でブレーキとアクセルを踏み間違えて親子2人をはね、4歳の女の子を死亡させたほか、母親にもけがをさせたとして過失運転致死傷の罪に問われました。

検察は「運転能力の衰えを感じ、免許の返納を考えていたのに『移動に便利だ』などという身勝手な理由で運転を続けた」などとして禁錮1年8か月を求刑したのに対し、弁護側は執行猶予の付いた判決を求めていました。

10日の判決で釧路地方裁判所の井草健太 裁判官は「基本的な注意義務を怠って車を衝突させ、4歳の幼い命が失われた結果は重大というほかなく、愛すべき大切な娘の命を目の前で失った母親が厳罰を望むのも十分に理解できる」と指摘しました。

一方で「被告は反省の態度を示し所有する車をすべて処分して今後は運転しない旨を述べている」などとして禁錮1年8か月、執行猶予3年を言い渡しました。