メキシコ エクアドル警察の大使館突入映像を公開 非難強める

南米エクアドルの警察が、現地のメキシコの大使館に突入し政治亡命を求めていた元副大統領の身柄を拘束して、両国の緊張が高まる中、メキシコの大統領は、大使館の監視カメラの映像を公開するとともに「深刻な事態だ」と述べ、さらに非難を強める事態となっています。

エクアドルでは4月5日現地の警察が、首都キトにあるメキシコ大使館に突入し、汚職の罪で収監され、仮釈放中に政治亡命を求めて大使館内に逃げ込んでいたグラス元副大統領を拘束しました。

これに強く反発してエクアドルとの国交の断絶を表明したメキシコのロペスオブラドール大統領は、9日、新たに警察が大使館に突入した際に撮影されたとする監視カメラの映像を公開しました。

この映像では、銃で武装した集団が館内に押し入って部屋のドアをふさいでいた大使館員を押しのけ、グラス氏とみられる人物の両手と両足を持ち上げて連れ出す様子が映っています。

ロペスオブラドール大統領は「このような深刻な事態に直面し沈黙を続けることはできない」と述べ、エクアドルに対する非難をさらに強めています。

一方、エクアドルのノボア大統領は声明で「国家の安全や法の支配、人々の尊厳を守るために例外的な決定をした」としています。

しかしこの問題をめぐり、中米のニカラグアもエクアドルとの国交断絶を表明したほか、アメリカや国連、中南米の各国も相次いでエクアドルを非難する事態となっています。