円相場 一時1ドル=153円台に 約34年ぶりの円安ドル高水準に

10日のニューヨーク外国為替市場では、アメリカの消費者物価指数の発表を受けて円安が加速し、円相場は一時、1ドル=153円台まで値下がりしました。1990年以来、およそ34年ぶりの円安ドル高水準です。

10日のニューヨーク外国為替市場では、この日発表されたアメリカの先月の消費者物価指数の上昇率が市場予想を上回ったことで、FRB=連邦準備制度理事会の利下げが遅れるとの見方が広がり、日米の金利差が意識されて円を売ってドルを買う動きが強まりました。

その結果、円相場は一時、1ドル=153円台前半まで値下がりして、1990年以来、およそ34年ぶりの円安ドル高水準となりました。

また10日のニューヨーク株式市場では、利下げが遅れ現在の高い金利水準が続くことへの懸念が広がり、取引開始直後から売り注文が増えました。

ダウ平均株価は一時、500ドル以上値下がりし、終値は前日に比べて422ドル16セント安い、3万8461ドル51セントでした。

市場関係者は「インフレの根強さを示した統計の発表を受けて、FRBの利下げが遅れ、年内3回と見込まれていた利下げの回数も2回以下に減るという見方が強まっている。アメリカで11日に発表される物価指標しだいでは、円安が一段と進む可能性もあり、投資家の間では、日本政府・日銀が円安に歯止めをかけるため市場介入を行うのではないか、という警戒感も出ている」と話しています。