紅麹問題 “摂取やめると症状改善の傾向” 日本腎臓学会の分析

小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓病などを発症した問題で、日本腎臓学会は、これまでに報告があった患者95人について、サプリメントの摂取をやめると症状が改善する傾向があったなどとする最新の分析を公表しました。一方、厚生労働省は、小林製薬から報告のあった死亡例の5人は、70代から90代で3人にがんなどの持病があったと発表しました。

日本腎臓学会は9日、厚生労働省と共同で会見を開き、小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」などのサプリメントを摂取したあとに腎臓病を発症した患者について、4月4日までに学会の調査に報告があった95人の分析結果を公表しました。

それによりますと、患者が最初に医療機関を受診した時期は、去年12月以降に集中していて、症状については、半数以上がけん怠感や食欲の低下、尿の異常、腎機能の障害を指摘されたためだったということです。

大半の患者で、腎機能の低下によって尿を作る際に体に必要な成分を再吸収できなくなる「ファンコニー症候群」がみられました。

また、腎機能の低下はこのサプリメントの摂取をやめるだけで、ある程度改善する傾向があったということです。

一方、会見で厚生労働省は小林製薬からサプリメントを摂取したあとに死亡したと報告のあった5人について、年代が70代が3人、90代が1人、不明が1人で、性別は女性が3人、男性が2人だったと発表しました。

このうち3人は、それぞれ前立腺がんや悪性リンパ腫、高血圧などの持病があったということです。

会見で日本腎臓学会の南学正臣 理事長は「多くの人は摂取をやめるだけで、腎機能が改善している。必要以上に怖がらなくてもいいが、症状がなくても不安があれば、医療機関を受診してほしい」と話していました。