台湾軍 ミサイルなど発射訓練の回数増加 中国軍の活動活発化で

中国軍が台湾周辺での活動を活発化させているのを受けて、台湾軍はことしからミサイルなどの発射訓練の回数を増やすことを決め、この方針に基づく最初の実弾発射訓練を9日、南部の太平洋に面した基地で行いました。

9日の訓練は台湾南部 屏東県の太平洋に面した基地で陸軍の部隊が行いました。

訓練は非公開でしたが、台湾が自主開発した多連装ロケット「雷霆2000」の実弾合わせて60発が、3台の車両に積まれた装置から発射された様子をNHKの取材班が撮影しました。

「雷霆2000」は、海上や海岸にいる敵の上陸部隊を撃退するためのもので、陸軍に実戦配備されています。

台湾軍はこれまでミサイルやロケットの実弾発射訓練を特定の時期に限って行っていましたが、中国軍が台湾周辺での活動を活発化させているのを受けて、ことしから訓練の回数を増やすことを決め、9日の発射がこの方針に基づく最初の訓練です。

台湾当局は、圧倒的な軍事力をもつ敵に機動性のある装備で対抗する「非対称戦」という戦略を掲げていて、中国の武力行使を抑止するために精密な打撃能力の向上を図っています。