USスチール 臨時の株主総会で決議へ 日本製鉄の買収計画で

日本製鉄によるアメリカの大手鉄鋼メーカー「USスチール」の買収計画をめぐってアメリカの鉄鋼業界の労働組合が反対するなか、今週12日、会社は臨時の株主総会を開き決議することにしています。

この買収計画は両社が去年12月に合意していてUSスチールの株主総会やアメリカの関係当局の承認が得られることなどを前提に、ことし中に日本製鉄がUSスチールを子会社化するとしています。

これをうけて「USスチール」は今週12日、臨時の株主総会を開いて決議を行います。

日本製鉄は「USスチール」の株主に対して買収合意の発表時点の株価に40%上乗せした価格を支払うとしていて、アメリカの議決権行使の助言会社の大手2社は買収に賛成することを推奨しています。

ただ、アメリカの鉄鋼業界の労働組合、USW=全米鉄鋼労働組合はこの買収計画に反対しています。

日本製鉄との交渉が続いていますが、まとまっていません。

USWは先週2日、日本製鉄側から送られてきた雇用の確保などを約束する書簡について「意味のない紙切れにすぎない」などとする声明を発表し、買収を支持しない考えを改めて強調しました。

労働組合が支持基盤のバイデン大統領も外国企業による買収に否定的な考えを示していて日本製鉄と組合との交渉が引き続き焦点になりそうです。